平凡社新書<br> リメイクの日本文学史

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平凡社新書
リメイクの日本文学史

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582858112
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0295

出版社内容情報

もと歌の書き換え、自作に手を入れ続ける作家たち……「推敲」から「翻案」まで、「書き換え」の諸相に目を凝らし、文学の力を探る。

はじめに

第一章 古典文学はリメイクされる──源氏物語と牡丹燈籠
リメイクされた(?)『万葉集』の和歌/本歌取り/『源氏物語』と『狭衣物語』
駒下駄の音高くカランコロン/「翻案」という語について/固有名詞に注目すると
漢文になった牡丹灯籠/コミック化した牡丹燈籠/唐十郎『青春牡丹燈籠』
カラコン/カランコロン

第二章 翻案というリライト──明治の翻案小説と幽霊塔の歴史
人肉質入裁判/Shylockとサイロク/幽霊塔へようこそ/『幽霊塔』の歴史 
書き換えられた『灰色の女』

第三章 推敲と書き換えのはじまり──漱石と賢治の自筆原稿
『坊っちやん』の自筆原稿/高浜虚子による松山方言の修正/固有名詞の変更
漱石の誤記あれこれ/語形にかかわる修正/『それから』の自筆原稿
表記の書き換え/『それから』の語形にかかわる修正/格助詞「ノ」の脱落
ケレドモ・ソウシテ・ダカラ/宮沢賢治の自筆原稿/カムパネラルかカムパネルラか
消された描写

第四章 作家たちは書き換える──「鼻」と「山椒魚」
芥川龍之介「鼻」/芥川龍之介「ひよつとこ」/井伏鱒二「山椒魚」
いくつものアウトプット

第五章 詩はどのバージョンがよいと言える?──てふてふ・有明・あむばるわりあ
安西冬衛「春」 蒲原有明「朝なり」 一作品の四つのかたち
西脇順三郎『Ambarvalia』と『あむばるわりあ』

第六章 少年少女のために──乱歩の場合その他
ポプラ社『少年探偵?江戸川乱歩全集』/「二銭銅貨」の場合/情報の簡略化
語の書き換え/外来語/漢字字体とかなづかい/系譜の抹消
講談社『少年少女世界文学全集』(全五十巻)/『坊っちゃん』の少年少女向けの書き換え

第七章 歌詞の変容──春の小川はさらさら流る
「やる」と「あげる」/「春の小川」/「蛍の光」/「冬景色」/「お山の杉の子」
「汽車ぽっぽ」/「星月夜」から「里の秋」へ/「夢の外」─「真白き富士の根」

おわりに
漢文訓読/ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』/トリビュートから二次創作へ

【著者紹介】
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内容説明

本歌取りは和歌の作法の王道であり、『源氏物語』や『平家物語』に材をとるリメイク作品が、日本文学史の背骨を形作る。明治の開化は欧米文学の翻案で彩られ、作家たちは自作の別バージョンを生み出してしまう。文学の領域はさまざまなリライト現象に満ちている。推敲という書き換えのはじまりから遙かな翻案の連鎖まで、読み手を書き手に変える文学の力の多様な発現をたどる。

目次

第1章 古典はリメイクされる―源氏物語と牡丹燈篭
第2章 翻案というリライト―明治の翻案小説と幽霊塔の歴史
第3章 推敲と書き換えのはじまり―漱石と賢治の自筆原稿
第4章 作家たちは書き換える―「鼻」と「山椒魚」
第5章 詩はどのバージョンがよいと言える?―てふてふ・有明・あむばるわりあ
第6章 少年少女のために―乱歩の場合その他
第7章 歌詞の変容―春の小川はさらさら流る

著者等紹介

今野真二[コンノシンジ]
1958年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期退学。清泉女子大学教授。専攻、日本語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばりぼー

40
古典文学や外国文学の翻案(リメイク)、作家自身による推敲(リライト)など、さまざまな「書き換え」の実例を示して分析を試みた書。例えば、中国の「剪燈新話」に収められた「牡丹燈記」を翻案した三遊亭円朝「怪談牡丹燈籠」、さらにそれをリメイクした五代目尾上菊五郎の歌舞伎、小泉八雲「宿世の恋」、魔夜峰央や波津彬子のコミック「牡丹燈籠」、唐十郎「青春牡丹燈籠」など、枚挙にいとまがない。文学作品は書き換えを促す何らかの「力」、自ら生まれ変わろうとする「力」を内在しているとすれば、文学作品は生きていると言ってもよい。2017/05/18

霧凛

3
様々な「書き換え」についての新書。前半はただ異なりを列挙するだけのようで分かりにくいし退屈したが、後半は「書き換え」の意図などにも言及していて興味深かった。前半部分は図を使うなりでもっと分かりやすく面白くできたのではないか?と少し残念ではあるが、全体としては文学研究の視点を増やせた気がするので読んでよかった。2017/06/30

むつみ

0
歌詞の書き換え等、「時局によって」が大きいが、その背景にあるものを考えねばならない、との指摘。心に銘ずる。2016/07/28

nnnともろー

0
「リメイク」の定義がかなり広範囲。できれば『舞姫』にも触れて欲しかった。2016/05/24

むむむ

0
芥川が古典から着想をして書いていたのは周知のことであるが、それに限らず、さまざまな書き替えがなされたことがよくわかる。そもそも、羅生門でも初稿から変遷をしており、それを対照するのも面白い。 思えば、和歌においても本歌取りがあり、昔から以前の作品を念頭に置いた表現があったことがわかる。銀河鉄道の夜にしても、原稿を見ると推敲のあとが見てとれる。時代を経ずに変化する作品を見るのも楽しいだろう。 今回、最も驚いたのは歌詞の変化である。春の小川の歌詞は「さらさら行くよ」だとばかり思っていたが、そうではなかったのだ…2019/09/12

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