出版社内容情報
世界に衝撃を与えた英国民投票のEU離脱派勝利。グローバリゼーションへの逆風か。開国経済モデルの転機か。EUの中長期展望を探る
プロローグ
EU離脱は「暗黒への跳躍」か/「不幸な結婚」に終止符/開放経済体制への否認
第一部 Brexit?の衝撃
第一章 E?U?が分裂した日
格差社会の怒りと不安/離脱派指導者の嘘/細かな規則にうんざり?
「EUの事実と作り話」/EU諸国の反応/国民投票の陥穽/「トランプ旋風」に追い風
EU分裂を歓迎するロシア、様子見の中国/英経済、景気後退の予想
離脱派勝利の立役者ボリス・ジョンソン/ボリス・ジョンソンをめぐる謎
シェークスピアさながらの「劇場型政治」/ナショナリズムvsグローバリズム
メイ新政権の難題/スコットランド独立と「リトル・イングランド」の悪夢
第二章 欧州懐疑派の系譜
チャーチルの深謀遠慮/ドゴールの二度にわたる「ノン」
筋金入りの欧州懐疑主義者だったサッチャー/ブリュッセルのプレスルーム
EMUからオプトアウト/「英国vs大陸」の構図を先鋭化させた狂牛病騒ぎ
EU、英要求の改革案を丸のみ/フランスのEU離脱の可能性
英誌エコノミストの「仏離脱─EU解体」のシナリオ
第三章 内憂外患
リーマン・ショック/ユーロ圏危機の背景要因/ギリシャは深刻
ウクライナ危機はEUとロシアのせめぎ合い/対ロ制裁/欧州に押し寄せる難民、不法移民
不法移民の流入急増/一〇〇万人の予備軍/密航ビジネス
ハンガリー国境は事実上閉鎖/問われるEUの連帯/トルコの協力
トルコへ三〇億ユーロの資金援助/ギリシャへの難民流入が大幅減少
国際社会全体の課題/ロシアによる「棄民政策」/テロの脅威/テロ対策の強化
きしむEUとトルコの関係
第二部 EUはどこへ向かうのか
第四章 欧州統合をめぐる三つの潮流
欧州統合の礎を築いた人たち/「連邦制」か「国家連合」か/新機能主義とは何か
「多段階統合」論議は九〇年代から/「公共領域」という考え方
第五章 E?U?は壊滅せずとも視界不良
一七年三月末までに通告へ/独仏外相の共同声明/ブラチスラバ非公式首脳会合
EU諸国から対英交渉に向けて厳しい要求/海図なき離脱交渉
新貿易関係で五つのオプション/一〇年がかりの交渉?/四つのシナリオ
差し迫った問題
第六章 山積するEUの課題
「離脱ドミノ」を防ぐには/次に倒れるドミノはイタリアか/市場統合のメリット
単一デジタル市場づくりを急ぐEU/ユーロ圏の課題/不良債権の重荷
ユーロは経済停滞をもたらした?/EU機関の長による報告書
「エネルギー同盟」づくりを急ぐEU/域外国との自由貿易協定交渉
はかばかしくないトルコの加盟交渉/東方パートナーシップ
第七章 E?U?を取り巻く世界の変質
米国における反知性主義の系譜/トランプ、英離脱でロシア大統領と共鳴
中国主導のAIIBになびく欧州諸国/日本への影響/安全保障をめぐって
揺らぐリベラル・デモクラシー
エピローグ
村上 直久[ムラカミ ナオヒサ]
著・文・その他
内容説明
英国のEU離脱をめぐる国民投票での離脱派勝利は全世界に衝撃を与えた。初めての加盟国離脱に直面しているEUは、今後どこに向かうのだろうか。英国の欧州懐疑主義の流れ、欧州統合の主要な潮流に光を当てつつ、EUの短期的・中長期的な課題を探る。
目次
第1部 Brexitの衝撃(EUが分裂した日;欧州懐疑派の系譜;内憂外患)
第2部 EUはどこへ向かうのか(欧州統合をめぐる三つの潮流;EUは壊滅せずとも視界不良;山積するEUの課題;EUを取り巻く世界の変質)
著者等紹介
村上直久[ムラカミナオヒサ]
1949年生まれ。東京外国語大学フランス語学科卒業。75年時事通信社入社。編集局英文部記者、米UPI通信本社(ニューヨーク)出向、外国経済部記者を経て、89年から94年までブリュッセル特派員。2001年に退社後、長岡技術科学大学准教授などを歴任。現在は時事総合研究所客員研究員。1999年から時事通信『Jiji‐Web』に月次コラム「EUウオッチング」を執筆。日本EU学会会員。日本記者クラブ個人会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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