叢書・ウニベルシタス
アウシュヴィッツ以後の神

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588009242
  • NDC分類 199
  • Cコード C1310

内容説明

絶滅収容所という絶対悪が現実に生起した世界にあって、「神」とは何を意味するのか。20世紀西欧思想の核をなすユダヤ的問題のアポリアを生き抜いた哲学者が、歴史の暴力の神学的意味を問い、破局の後にもなお生き延びる「神」の概念、および人間的倫理のかたちを探った論考三篇を収録。訳者による詳細な註・解題、著者小伝も付した決定版邦訳。

目次

第1章 アウシュヴィッツ以後の神概念―ユダヤの声
第2章 過去と真理―いわゆる神の証明にたいする遅ればせの補遺
第3章 物質、精神、創造―宇宙論的所見と宇宙生成論的推測

著者等紹介

ヨーナス,ハンス[ヨーナス,ハンス][Jonas,Hans]
1903年にドイツのメンヒェングラートバハの裕福なユダヤ人家庭に生まれる。学生時代にシオニズム運動に参加。ハイデガー、ブルトマンのもとでグノーシス思想研究によって学位取得。ナチスの政権掌握の年、ドイツを出国。イギリスをへてパレスチナに移住。第二次世界大戦が勃発するとイギリス軍に志願し、ユダヤ旅団に属して戦う。戦後はパレスチナ戦争に従軍後、イスラエルを出て、カナダ、さらにアメリカ合衆国に渡り、ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ校教授を務めた

品川哲彦[シナガワテツヒコ]
1957年生。哲学・倫理学専攻。京都大学大学院博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。現在、関西大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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singoito2

12
昨年9月に感銘を覚えた本。バーガーの「現代人はキリスト教を信じられるか」にも突っ込んだ言及があって、AMZで探したら新本があったので脊髄反射的にポチッとしてしまいました。多くの人に手に取って欲しい一冊だけれど、いかんせんお値段がべらぼう。ぜひ、図書館で探してみてください。2022/11/12

singoito2

5
ナチスと戦う戦場に立ち、母をアウシュヴィッツで殺されたヨナスの晩年の論文集。哲学者としての着実な論述の中から、「冗談じゃない! アウシュヴィッツという恥辱は・・・依然として私たちのうえにとどまっている。私たちは自分たちのゆがんでしまった顔、いやそれどころか神の顔からこの恥辱をぬぐいさって元に戻さなくてはならない。」P100という叫びが漏れ、「私たちの地球の世話をしよう」P117という呼びかけに収斂してゆく。哲学になじみのない人向けに親切な訳注やヨナスの略伝付き。神と地球に心を寄せる人に読んで欲しい1冊。2021/09/03

砂糖 翠

1
ウィリアム・ジェイムズの有限な神に似ていることに気づいたため読んだ。雑感としてホワイトヘッドに似ていた(生命の哲学はホワイトヘッドの過程と実在に影響を多大に受けていたようなので今度読みたい)。気になる点として、結局悪の位置づけがどこにあるのか。ヨナスは、さっくりとアウグスティヌス以降が論じてきた、悪の源は人間にあるという論を受け入れてしまっているが、果たしてそれでいいのか。無論、カントを下敷きにすれば、善がなしうるとき、悪も同時になせるが、その図式自体を問い返す必要性があるのではないか。2017/09/15

T.Y.

1
原書で読了したが、訳者解説を読んだのでこちらも登録。ヨーナスの生涯とその思想の概要と変遷、その中における本書の論の位置付けを解説している「ハンス・ヨーナスの生涯」と「解題」は、良いヨーナス入門であると思う。2013/11/29

sossii

0
タイトルにひかれて読み始めたが、表題論文以外の二本は難しくてよくわからなかった。最後のほうにベックの『私だけの神』(だったかな?)の冒頭に出てくるエティ・ヒレスムについての記述がある。ただヒレスムについても、この本だけではよくわからないのではないか。2012/12/10

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