内容説明
文学の効用は、時代を超えた他者理解を通じて、万人に開かれたコミュニケーションを生み出すことにある。現今の文学教育や批評の言説を覆う形骸化とニヒリズムを批判し、読者の人生に豊かさとかけがえのない意味を与える力としての文学の尊厳を擁護する試み。日本語版補遺として、バフチン、バルト、クンデラなど5人の批評家論を特別収録。
目次
文学は馬鹿らしいほどに矮小化されている
学校を越えて
近代美学の誕生
啓蒙の美学
ロマン主義から前衛へ
文学には何ができるか?
無尽蔵のコミュニケーション
補遺 現代批評家論五編(邦訳版特別収録)
著者等紹介
トドロフ,ツヴェタン[トドロフ,ツヴェタン][Todorov,Tzvetan]
1939年、ブルガリアに生まれる。1973年、フランスに帰化。ロラン・バルトの指導のもとに『小説の記号学』(67)を著して構造主義的文学批評の先駆をなす。91年、『歴史のモラル』でルソー賞を受賞
小野潮[オノウシオ]
1955年宮城県に生まれる。東北大学大学院博士課程単位取得修了。中央大学文学部教授。19世紀フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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