出版社内容情報
戦時厚生政策の暗部としての右翼・ファシズムとの相関について資料をもとに解明。右翼・福祉・キリスト教の関わりに取り組むことで社会事業史が目を向けなかった主題の空白を埋める。
目次
1 右翼と福祉―異形の“底辺にむかう志”を問う(日本ファシズム史・統制・戦時厚生政策の背後)
2 「ファシズム」論と戦時厚生政策の交点(「ファシズム」論と戦時厚生政策の交点―研究の枠ぐみへの試論;天皇制と社会事業―なぜ“福祉”なのか;思想研究資料『国家主義団体の理論と政策―「右翼」の福祉関連へのテーゼ・その解読として;「戦時厚生事業」の論理―ファッショ化と社会事業の変質)
3 戦時厚生政策への「抵抗」の問題(戦時下のキリスト教社会事業と「抵抗」について―プロテスタント社会福祉史のなかで;昭和初期におけるキリスト教社会事業の論理とその到達点;戦時更生政策とキリスト者の社会事業論理―抵抗不在のメカニズム)
4 補論―“書評”からの視座(大貫恵美子『ねじ曲げられた桜―美意識と軍国主義―』;藤野豊『日本ファシズムと優生思想』;阿部謹也『ヨーロッパを読む』)
著者等紹介
小倉襄二[オグラジョウジ]
1926年10月京都市生まれ。現在、同志社大学名誉教授(社会問題・社会保障論・社会福祉体系・公的扶助論担当)、同志社大学文学部長(元)、新島学園女子短期大学学長(元)、ロンドン大学(L・S・E)在外研究、摂津市障害者施策推進協議会委員長、同志社大学社会福祉学会会長、日本社会福祉学会・社会政策学会・社会事業史学会各名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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