音楽と感情

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  • サイズ B6判/ページ数 179,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622076681
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C0073

出版社内容情報

『ピアノ・ノート』の著者が、大テーマに切り込む。バッハからベルクまで、作曲家は聴き手の感情を波立たせる名曲をどう作ったのか?

おなじ著者の『ピアノ・ノート』(¥3200 ISBN978-4-622-07489-2)は2009年に刊行して大ヒット。現在10刷でロングセラーに仲間入りした。
 今回は、ローゼンがこれまで出してきた大著小著とは趣がちがって、一見途方にくれるようなテーマに鮮やかに切りこむ。バッハからアルバン・ベルクまで、クラシックの作曲家たちはどのようにして、聴き手の感情を波立たせたる美しい曲を作ったのか。 たとえばベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」最終楽章。最初に複雑なリズムのファンファーレ、次に一転して素朴なドイツ舞曲のリズム。この対照的な感情が徐々に小さな物語へと積みあがっていく。ところが著者によると、この方法は18世紀半ばまで存在せず、ベートーヴェンの死後は消滅して、別の方法が生まれたという。 心憎いほど音楽を知り尽くしたピアニスト・批評家が、古典派以前からロマン派以後まで、名曲がいかに繊細な感情表現から成り立つか、その秘密と変遷を具体的に語る。「驚きなのは、緻密な分析と専門的なアプローチをしながら、みごとに感動的なことだ」(『ガーディアン』紙評)。
 さらに本書には、愉しいエッセイも。2010年秋に雑誌「みすず」に紹介されて吉田秀和氏が絶賛した、ショパン生誕二百年を祝うエッセイ「ハッピーバースデー・ショパン!」と、翌2011年掲載のシューマン生誕二百年記念のエッセイ「ハッピーバースデー・シューマン!」の二編を収録し、おくる。

内容説明

バッハからベルクまで、クラシックの作曲家はどのように聴き手の感情を波立たせる名曲を作ったか。音楽を知りつくした『ピアノ・ノート』の著者が語る奥義。

目次

1 複合的なシグナルの意味を決めるということ
2 古典派以前
3 対立しあう情緒―古典派
4 ハ短調様式
5 ベートーヴェンの拡張
6 ロマン派―音の強さ
7 執拗さ―ロマン派以降

著者等紹介

ローゼン,チャールズ[ローゼン,チャールズ][Rosen,Charles]
1927年ニューヨークに生まれる。コンサート・ピアニスト、音楽批評家・理論家。4歳でピアノを始め、11歳でジュリアードを中退、モーリツ・ローゼンタールに師事する。1951年プリンストン大学で博士号取得(フランス文学)。これまでにニューヨーク州立大学、オクスフォード大学、ハーバード大学、シカゴ大学などで教鞭をとる(フランス文学ほか)。『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』に定期的に執筆

朝倉和子[アサクラカズコ]
ピアニスト、翻訳家(SWET会員)。訳書ブラッドレー・マーティン『北朝鮮:「偉大な愛」の幻』(全2巻、青灯社、2007。毎日新聞アジア太平洋賞特別賞受賞)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

18
ベートーヴェンの31番のピアノソナタのスケルツォと終曲の嘆きの歌、旋律線は殆ど同じなのになぜ違う印象を与えるのか?手品師のような種明しが楽しい。ベートーヴェンの第4ピアノ協奏曲の出だしとブラームスのヴァイオリン協奏曲のそれの思いがけない比較。ドビュッシーのラモー讃がワーグナーのパルシファルそっくりなことなど。豊富な譜例で脳内にいろんな音楽が鳴り響きながらの読書でした。ローゼンといえばブーレーズのウェーベルン全集での知的で明晰なピアノ演奏が印象的だが、その演奏スタイルを彷彿させる文体。博学と教養に脱帽です。2016/01/30

Bartleby

13
とにかくたくさん楽譜が引用されていて飽きない。ピアニストでありフランス文学者の著者による譜面の詳細な分析をたどるにつれひしひしと感じたのは、音楽>感情、ということ。音楽は何らかの感情を表現しているのではなく、音楽の秩序だった抽象的な構造に私たちはかなり恣意的に感情を投影しているということ。同じ音型、和音進行であっても、時代の流行・嗜好などによって、正反対の感情表現として受けとられる。数式に美を感じることは、音楽を聴くこととかなり近いのではないか。2022/10/20

メルセ・ひすい

4
15-130 バッハからベルクまで、クラシックの作曲家は、どのようにして聴き手の感情を波立たせる名曲を作ったのか。古典派以前からロマン派以後までの名曲を例に、繊細な表現の構造と、計算しつくされたからくりを分析する。ハ短調が注目に値する理由は何? 巻末エッセイ 生誕200年のショパンとシューマン!ショパンのピアノの弟子はほとんどが女性!彼のエチュードはロマン派イデオロギーの野心の勝利! シューマン…ピアノの扱いについて、現代精神のなかで歌と伴奏の関係を利用した最初の作曲家である。そして音楽批評家なのだ。拝拝2012/02/20

胆石の騒めき

2
(★★★☆☆)自身で演奏はできないが、クラシック音楽鑑賞を趣味としているので手に取った一冊。協和と不協和、対立と統一等の聞き手に感情を呼び起こす様式や作曲技術が存在すること、時代により様式の変遷が見られることは朧気ながらに理解できたけれども…。曲を聴くときに単に自分自身の好き嫌いを超える必要があるのか?楽譜を読めるようになることで、クラシック音楽鑑賞の世界が広がるのか?その答えを知るためには、もっと深く学ばないといけない。残念ながら今はこの本の内容を十分に理解できないが、然るべきときに再読しようと思う。2017/08/27

takao

1
 だれか演奏してmp3にしてくれ。2017/10/13

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