内容説明
今日でも9つの国と国境を接するドイツは、その規模・歴史的経緯からして絶えず周辺諸国から脅威と懐疑の念を抱かれてきた。こうした状況を踏まえ著者ヴォルフ・D・グルーナーは、ドイツは決して自己中心的にふるまうことは許されず、常に周辺諸国との協調・妥協を念頭に置きながら行動しなければならないと主張する。本書は、フランス革命期から今日までのおよそ200年を対象に、分裂と統合、周辺諸国との対立・和解・協調を繰り返したドイツの歴史をヨーロッパ全体の文脈のなかで概観することにより、欧州統合時代にドイツが進むべき道のヒントを示そうとするものである。
目次
第1章 ドイツ問題、現状と歴史的次元
第2章 多極的勢力均衡によるヨーロッパの平和―一六四八~一八一四・一五年
第3章 ドイツ連邦とヨーロッパ―一八一五~一八六六年
第4章 世界秩序のなかの大国プロイセン=ドイツ―一八七一~一九一八年
第5章 ヴェルサイユ体制下のドイツ、現実政治と幻惑の狭間で―一九一九~一九三九年
第6章 覇権か、勢力均衡か?新しいヨーロッパ秩序・国際秩序を求めて―一九三九~一九四八年
第7章 東西ドイツ間の闘争からヨーロッパ・地球レベルの闘争へ―一九四九~一九九〇年
第8章 国民統一と欧州統合の狭間に立つドイツ―一九九〇~二〇〇二年
著者等紹介
丸畠宏太[マルハタヒロト]
1958年東京都生まれ。1994年京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、敬和学園大学人文学部教授
進藤修一[シンドウシュウイチ]
1965年秋田県生まれ。1995年同志社大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大阪大学大学院言語文化研究科准教授
野田昌吾[ノダショウゴ]
1964年大阪府生まれ。1993年大阪市立大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。現在、大阪市立大学大学院法学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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