内容説明
環境先進国として名高いドイツ。多くの民族の虐殺が行われたナチス体制期にエコロジー的認識が高まったのはなぜか。本書は、ナチス期テクノクラートの世界を代表するトットと景観工学士ザイフェルトのアウトバーン建設・景観形式をめぐる対立と協働の全体像を明らかにし、開発・巨大技術と自然の融和、自然環境保全への格闘とそれらが残した正負の遺産を描き出す。教養市民層とナチズム、ロマン主義とナチズムという問題に挑戦し、「アウトバーン建設」という切り口から、ナチスの新たな捉え方へと導く一冊。
目次
序章 「緑」のアウトバーン
第1章 郷土保護運動の成立と展開
第2章 フリッツ・トットと「ドイツ技術」理念
第3章 第三帝国におけるアウトバーン建設
第4章 景観形成とエコロジー
第5章 「ステップ化論争」とザイフェルトの自然観
第6章 ナチ東方ゲルマン化政策と景観形成
終章 景観エコロジーとナチズム
著者等紹介
小野清美[オノキヨミ]
1948年徳島県生まれ。1979年名古屋大学大学院法学研究科博士課程中退。現在、大阪大学大学院法学研究科教授、博士(法学)。『テクノクラートの世界とナチズム』ミネルヴァ書房、1996年(第九回和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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