出版社内容情報
いつの時代も人類の生存を大きく決定してきた、量的側面としての「人口」と質的側面としての「健康」。本書は、この二つのアプローチのもと日本史・世界史における諸問題を検討する。新型コロナウイルスという新しい感染症の脅威に直面し、世界史的な転換点となるかもしれないとさえ言われているいま、人口、そして感染症とそれに対する医療・公衆衛生をめぐる人類の歩みを多角的に考察する。
内容説明
いまこそ考えたい人口と疫病・医療・公衆衛生の歴史。長い歴史のなかで人類の生存を左右してきた「人口」と「健康」。二つのアプローチから日本史・世界史を多角的に考察する。
目次
第1部 人口の世界史―「人口転換」論を超えて(狩猟採集社会の人口学的分析;近代に向かう人口と環境―ヨーロッパ、特にドイツを中心に;近世日本の人口戦略;アイルランド大飢饉―一九世紀北大西洋世界への位置づけ;ジェンダーとリプロダクションからみる中国の人口史―家父長制家族から一人っ子政策へ;現代アジアの少子高齢化)
第2部 健康の世界史―「疫学的転換」論を超えて(疫病と公衆衛生の歴史―西欧と日本;工業化・都市化と結核;ハンセン病者の社会史―日本の“近代化”の中で;精神医療の歴史学とその射程―医のまなざしと病者の主体性、バイオとソーシャルをめぐって;眠り病と熱帯アフリカ―近代医学の描く「文明」と「自然」;コレラと公衆衛生―帝国植民地の比較史;フィラリアの制圧と二〇世紀日本の熱帯医学―風土病の制圧から国際保健へ;「帝国医療」から「グローバル・ヘルス」へ―マラリア対策に焦点を合わせて)
著者等紹介
秋田茂[アキタシゲル]
1958年生まれ。1985年広島大学大学院文学研究科博士課程後期中退。2003年博士(文学)(大阪大学)。現在、大阪大学大学院文学研究科世界史講座教授
脇村孝平[ワキムラコウヘイ]
1954年生まれ。1989年大阪市立大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2002年博士(経済学)(大阪市立大学)。現在、大阪経済法科大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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