内容説明
日本史上初めての「占領」は、この国をどう変えたのか―。昭和史上最大の国民的体験が、遺された多数の写真から浮かび上がる。
目次
「戦後七〇年」に想う―占領期に日本人が置き忘れてきたこと
昭和20年 日本の降伏とGHQの民主化政策
昭和21年 民主憲法の誕生と天皇の巡幸はじまる
昭和22年 混乱のピークを迎えた国民生活
昭和23年 占領政策の転換 民主化から経済復興へ
昭和24年 大急ぎの「経済安定化」
昭和25年 朝鮮戦争の勃発と早期講和への動き
昭和26年 講和条約と日米安全保障条約の締結
昭和27年 国際社会に復帰した日本
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
ノンフィクション作家。1939年北海道生まれ。同志社大学卒業後、出版社勤務を経て著作活動へ。「昭和史を語り継ぐ会」を主宰し、『昭和史講座』を独力で刊行し続けている。一連の昭和史研究で第五十二回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馨
22
戦後GHQの統制下にあった日本。戦争で親をなくした孤児の写真が切ない。あんな子供たちがつい70年前まで日本中に溢れていたのですよね。必死に復興しようとする国民の姿がたくさん写っていました。この人たちが今の日本のために必死で立て直してくれたのだなぁと思うと感慨深いものがありました。2015/10/04
とよぽん
15
1945年8月から1951年9月、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約が締結されるまでの占領下の日本。当時の写真が、敗戦後の日本の風景や困窮した日常生活の様子を雄弁に物語る。人々は、その日その日を必死で生きていた。生きていかざるを得なかったのだ。保坂さんの本をもっと読みたいと思う。2018/03/30
讃壽鐵朗
4
これまで見たことのない、米軍撮影の興味深い写真が多数あって、戦後史がよく分かった。2019/08/28
紙魚
3
メイドインオキュパイドジャパン…占領下日本という表示。写真がいっぱいでいいね2019/03/27
みほ
3
こんなに経済発展した我が国も、かつては占領下にあった。その年月は6年8ヶ月。メイド・イン・オキュペイド・ジャパンと呼ばれた過去。本書はとても見ごたえある。写真がたくさんあり、どれも複雑な気持ちをおこさせる。マッカーサーへの感謝の手紙、米軍への笑顔…。戦争を知らない私は、米国に怒りや憤りを感じるが、当時の人々はもはや我慢の限界だったのだろう。もはや善悪など関係ない、お腹を満たすことが先決だ。著者の最初の言葉が忘れられない。米軍からキャンディをもらった父、川へ思いきり投げ捨てた…。せめてもの…。2016/11/23