内容説明
日本国家の起源から十四世紀まで、日本の地域社会はどのように発展していったのか。吉備の首長制、出雲の玉、東国の馬や交通路を扱った第一部と、北は北海道や東北、南は南島・奄美・琉球にいたる周縁から日本史を見直した第二部による構成。第一線の研究者珠玉の論考十五編を収録し、新しい知見を提示して、古代史研究の新地平を切り開く。
目次
第1部 日本古代の地域社会(吉備をめぐる予備的考察;古代における地域社会と手工業生産―出雲地域の玉生産を中心として;「阿陀加夜努志多伎吉比売」の周辺―女神論序章;公式令朝集使条と諸国遠近制;古代社会と馬―東国国府と栗原郷、「馬道」集団;地域社会における評・郡成立の前提―武蔵国都筑郡を事例として;古代上野国の国内交通路に関する一考察)
第2部 古代日本の周縁(カマドから検出された須恵器の壷について;古代北海道における太平洋側・内陸交流の実像―「太平洋交易集団」の実態と意義をめぐって;秋田城と城制;奥羽における古代城柵の終焉と「館」の形成;琉球国以前―琉球・沖縄史研究におけるグスク社会の評価をめぐって;天平十五年の隼人の朝貢をめぐって;平安時代中期の南蛮人襲撃事件をめぐって;キカイガシマ海域と日宋貿易―「古代~中世におけるヤコウガイの流通」再論)
著者等紹介
鈴木靖民[スズキヤスタミ]
1941年北海道に生まれる。1969年国学院大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、国学院大学文学部教授・横浜市歴史博物館館長、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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