内容説明
建久元年(一一九〇)~建久三年(一一九二)。奥州藤原氏討滅に続き、その遺臣大河兼任の蜂起を鎮圧した頼朝はついに上洛し後白河法皇と対面、右近衛大将・権大納言への任官と辞任を経て征夷大将軍となる。造伊勢神宮役や有力御家人佐々木氏と延暦寺の対立をめぐり幕府と朝廷・有力寺社との交渉も頻繁となる一方、内乱による「数万之怨霊」を供養する永福寺も完成し、新時代が到来を告げる。
目次
吾妻鏡 第十(建久元年(一一九〇))
吾妻鏡 第十一(建久二年(一一九一))
吾妻鏡 第十二(建久三年(一一九二))
著者等紹介
五味文彦[ゴミフミヒコ]
1946年山梨県生まれ。1970年東京大学大学院修士課程修了。現在、放送大学教授・東京大学名誉教授
本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年東京都生まれ。1988年東京大学大学院博士課程単位取得。現在、東京大学史料編纂所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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読みつつしみじみ思うのは,頼朝さんご苦労様ですー,ってことですな.もめごとへの仲裁,取りなしといった記事のいかに多いことか.奥州平定後の上洛という華々しいイベントでも,御家人たちに万遍なく満足感を与えるために気を使いまくりな様子がうかがえます(お供の際の役割分担とか).そういう裁定能力でもって支持されたタイプのトップだったのか,と.あと気になることとしては,逐電する人の多いこと.まだ,それなりに地位のある人でもふいと市井に紛れて(あるいは出家して)過ごせる時代なのだなぁ.2013/03/12