出版社内容情報
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読売新聞 2008.6.22
日本経済新聞 2009.1.10 文化面「読み直される古事記」(中野稔記者)
内容説明
神々の誕生から推古天皇までの「歴史」を記す古事記。出雲神話やヤマトタケルなど多彩な物語を、歴史・文学など多方面から、神話と史実の実態に迫り、その魅力を考える。また国学や教科書に及ぼした影響にも触れる。
目次
古事記とその時代
1 歴史と神話・伝承(出雲神話と出雲;遠征する英雄と歴史;五世紀の歴史と伝承)
2 構想と世界観(死者・異界・魂;古事記の世界観;文字からみた古事記―漢字使用と言語とのあいだ)
3 古事記以降(中世神話の世界;本居宣長の古事記研究;国定教科書と神話)
著者等紹介
三浦佑之[ミウラスケユキ]
1946年生まれ。千葉大学文学部教授(文学部長)。古代文学・伝承文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マーブル
6
『口語訳古事記』の作者が編者となった本書。古事記と日本書紀の関係、編纂された背景や世界観、後世の研究など古事記周辺を広く扱う。 学校で習いはしてもよく区別のつかない記紀の違いが少しずつ分かってきた気はするのだが、最初に古事記に興味を持ったきっかけの神話からは随分と遠くへ来てしまった感はある。 長文の書評はこちら。https://www.honzuki.jp/book/272769/review/218893/2018/12/22
俊介
3
古事記の内容というより「立ち位置」を明確にさせようとする本。9人の執筆者が、それぞれのテーマで分析する。それが結構幅広く、江戸時代の国学者や近代の国定教科書なんかも登場する。それに中には高度な議論もあるので、頭の整理や理解が追いつかないところも多々あった。ただ、一つの明確な論点としては、日本書紀との比較を通して、古事記というのは、単なる神話や歴史の記述という枠に収まりきらないものだというとこだ。江戸の国学者たちが純粋な日本を見てとろうとした古事記には、むしろ複雑で奥深い日本の姿が垣間見られるように思う。2019/04/25
メーテル/草津仁秋斗
1
古事記について、古代から近代までの受容のされ方を、様々な切り口から描いた本。様々な考え方が載っていて面白い。2015/11/15
Shungo Shimazu
0
さまざまな筆者(9名の)が、さまざまな切り口から古事記を語る。 古事記を読む指南書かと思わせて、「私は古事記をこう読む」というエッセイに近い文章も多いように感じた。 かなり難解というか、マイナーな学術研究のような内容もあったが、心に刺さるエピソードもいくつかあり、読後の満足感は高め。 例えば日本武尊が病に斃れた後、白鳥となって懐かしい大和に還った伝承にもあるように、死者を鳥に喩えたり、霊魂が鳥になるということから神社には「鳥居」がある、など。2020/11/16