内容説明
白河上皇に「三不如意」の一つといわしめた「山法師」の嗷訴。延暦寺が、中世的権力として力と富を持ち得たのはなぜか。室町幕府に政治改革を迫り、戦乱を生き抜いた寺僧たちの姿から世俗権力延暦寺の実態を解明する。
目次
延暦寺の創建と衆徒の登場
1 衆徒の武力
2 神輿造替と日吉神人
3 衆徒と坂本
4 嗷訴と幕府
5 幕府の改革と応仁・文明の乱
結
著者等紹介
下坂守[シモサカマモル]
1948年石川県金沢市に生まれる。1974年大谷大学大学院文学研究科修士課程修了。京都国立博物館学芸課長、京都大学大学院人間・環境学研究科客員教授(兼務)、文化庁文化財部美術学芸課長、帝塚山大学人文科学部教授を経て、奈良大学文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まみこ
5
歴史小説を読んでいると頻繁に登場する寺社勢力。神輿をかついで強訴に及ぶ山法師は、あの白河上皇にでさえ意のままにならなかったという。寺社勢力が力を持つに至った背景や、内部抗争などについて書かれていてとても興味のあるトピックだった。が、文章が堅くて読むのに骨が折れる(><)流し読み部分も多くなってしまい、これは数年後に再度読みたい本として温めておくつもり。2023/03/07
アメヲトコ
2
中世の比叡山延暦寺について、宗教的側面ではなく主として経済的側面からその力の源泉を分析したもの。まさに中世京都の影の支配者にふさわしい集金システムには凄みがあります。そしてその力をうまく利用する足利義満はやはり政治家として巧妙。2014/11/29
onepei
0
今の感覚だと僧たちも神輿を粗末に扱ってるように感じられるわけだけど。2011/06/15