内容説明
今までと同じゼミナールでいいのか―学生たちは大災害の衝撃にまっすぐに向き合おうと教授研究室を工房に変え新聞紙面に目を凝らし被災地の声に耳を傾け報道の実像を追った。
目次
第1部 実証的視点(全国紙が見た震災・地方紙が見た震災―記事面積分析は何を教えるか;震災報道の「顔」―河北新報の情報源を検証する;津波被災は持続的に報道されたか―阪神淡路大震災との比較から)
第2部 批判的視点(新聞はなぜ「大本営発表報道」と批判されるのか;プルトニウム報道に見る在京紙と地方紙―超猛毒物質から福島県民を守るのはだれか;写真分析から見えた新聞記者の葛藤―報道の使命か、身の安全か;新聞が伝える「死」―「死」と向き合い、考える)
第3部 4つの場所から考える(石巻市立大川小学校―検証記事をどう活かすか;南三陸町防災対策庁舎―報道対象の一極集中はなかったか;長野県栄村―もう1つの被災地と地域の営みからの報道;牡鹿半島・十八成浜―「がんばれ」は思考停止の言葉)
著者等紹介
花田達朗[ハナダタツロウ]
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。ジャーナリズム教育研究所所長。オープン教育センター・全学共通副専攻・ジャーナリズム/メディア文化コースを運営。早稲田大学卒、ミュンヘン大学大学院修了。東京大学大学院情報学環教授・学環長を経て、2006年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かわくん
1
早稲田大学教育学部のゼミ生たちが、新聞の震災報道について分析した。計量的な分析、特に紙面における震災記事の面積の割合などは新聞社自身も行っていない調査だと思う。少なくても私の社でこのような調査・分析を行ったという話は聞かないし、それを行う組織も今のところない。その調査にどのような意味があるのか。今はまだ分からないが、過去の関東大震災との紙面比較なども興味深い調査になるかもしれない。「東京が被災地になった場合に、全国紙はどのようなスタンスで取材し紙面を編集するのか。今回の地方紙のような取り組みがはたして可能2012/09/25
イトウちゃん。
0
「震災関連気にの『寿命』」は、発生地域と、その情報を受け取る地域で変わってきてしまう。2013/01/29