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内容説明
魂を揺さぶる驚くべき実話。ナチスの侵攻を受けたポーランドで、動物園を運営するある夫婦が、命をかけてユダヤ人を救おうとした正義と勇気の物語―あなただったら、どうしますか?
目次
一九三五年夏
ふたつの世界
別荘へ
一九三九年九月一日、ワルシャワ
包囲
再会
一九三九年秋
絶滅と復元
ふたりの園長
裏切り〔ほか〕
著者等紹介
アッカーマン,ダイアン[アッカーマン,ダイアン] [Ackerman,Diane]
ベストセラー『「感覚」の博物誌』(河出書房新社)の著者。自然や人間性に関するエッセイは「ナショナル・ジオグラフィック」「ニューヨーカー」「ニューヨークタイムス」などでも見られる
青木玲[アオキハルミ]
翻訳家、ライター。神奈川県生まれ。著書『競走馬の文化史―優駿になれなかった馬たちへ』(筑摩書房)で1995年度ミズノスポーツライター賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
116
ポーランドで当時ヨーロッパ最大だった動物園を営む夫婦。第二次世界大戦でドイツが侵攻してくると、そこは虐殺されるユダヤ人を命懸けで匿う園となる。映画にもなり公開されていて、私はまだ観てはいないのだが、おそらく本のほうが事実に忠実なのだろう。その分、あまりの悲惨さに目を覆う場面がいくつもあった。人は何故こんなにも酷いことができるのか。そして一方、人は何故これほどの恐怖に直面しながらも、人として生きたいと立ち上がれるのか。見つかるはずのない答えを探しながら、時間をかけて読んだ。2017/12/20
future4227
44
映画が素晴らしかったので原作も読んでみた。映画はエンタメ重視で多少アレンジされていたようだ。驚くべきは、自らの命の危険を顧みずユダヤ人に手を差し伸べるポーランド人が7~9万人はいたということだ。この動物園だけが特別なのではなく、ポーランドではユダヤ人救出のための地下組織 が作られ、多くの人が勇気ある行動をとっていた。ユダヤ人に水を与えるだけでも射殺という法の下で、民族も宗教も言語も異なる人々を助けるポーランドの国民性は尊敬に値する。ただ、アントニーナのドイツ兵を懐柔してしまうスゴ技は誰にも真似できない。2018/02/09
ちょびねこ
5
ナチスの侵攻を受けたポーランドで動物園を運営する夫婦が命をかけて300人以上のユダヤ人を救った実話。動物園の動物達の凄惨な終わり方に胸が苦しくなり、しばし本を閉じてしまいました。動物亡き後は、園長夫婦がユダヤ人をかくまうのですが、死と隣り合わせの日々は、生きた心地がしなかった事でしょう。ナチズムがユダヤ人だけでなく、特定の植物や動物を根絶させ、世界の生態系改変を計画実行しつつあったことに驚愕。偏向体質の指導者を選択してはならない、戦争はどんな状況であれ起こしてはならないと強く思います。2017/12/24
かやから
1
第二次世界大戦中にホロコーストが起きる中でユダヤ人を匿った事が明らかになればそれだけで殺されるのに、その恐怖に加えて明日生きているかも分からない状況で人を見捨てないことを決意するのは本当にすごい事だなと思った。ホロコーストで沢山の命が奪われたけれど、この本に出てくる「人を見捨てない決意」をした人が居たことで確かに救わた命もあるのだと改めて実感した。また、人種を超えた人の繋がりの尊さや、動物と共に暮らすことによる生物的な本能の壮大さみたいなものも感じた。危険を犯してまでも命を救ったのは実に凄いことである。2022/05/21
lab87
1
図書館本。死を覚悟しながら生き抜く恐怖は想像することはできない。ノンフィクションは説得力がある。2020/08/30