出版社内容情報
本書は1996年に新曜社から刊行された『明治思想史』を、刊行時には不十分であった本書の大きなテーマ=「個の覚醒」について、明治150年を迎えるにあたって大幅な論考を付して刊行する増補版である。
増補した補論「夏目漱石の個人主義―思想の構造と特質」は、執筆枚数100枚に及び、専ら小説家として受容されてきた夏目漱石について、「私の個人主義」、「現代日本の開化」、『文学論』など文明批評的な作品を中心に、はじめて夏目漱石の思想的な側面を多岐にわたって分析した画期的な論考である。
・維新前夜の思想
・新しい国家構想を求めて
・自由民権の思想
・教育勅語をめぐる思想の相克
・「天下国家」から「生活」への視座の転換
・労働運動と国民国家
・自我の鼓動
・明治の終焉―乃木将軍の殉死
・「乱世的の革命」
・啓蒙的知識人の課題
・憲法制定の視想像
・平民主義・国粋主義・国民主義
・思想としての日清戦争
・初期社会主義の行動と思想
・苦悩する個―藤村操の投身自殺
・補論 夏目漱石の個人主義―思想の構造と特質
松本 三之介[マツモト サンノスケ]
著・文・その他
内容説明
明治150年に贈る本格的な明治思想通史。明治の近代国家創設とその政治的価値優位のなかで、私的な個はどのように析出され自立したか?増補した補論「夏目漱石の個人主義―思想の構造と特質」は、これまで主として文学論の視点から論じられてきた漱石について、「私の個人主義」、「現代日本の開化」などの分析から、大正思想へ通底する夏目漱石の思想的な特質を考察した注目すべき論考。
目次
維新前夜の思想
「乱世的の革命」
新しい国家構想を求めて
啓蒙的知識人の課題
自由民権の思想
憲法制定の思想像
教育勅語をめぐる思想の相克
平民主義・国粋主義・国民主義
「天下国家」から「生活」への視座の転換
思想としての日清戦争
労働運動と国民国家
初期社会主義の行動と思想
自我の鼓動
苦悩する個―藤村操の投身自殺
明治の終焉―乃木将軍の殉死
夏目漱石の個人主義―思想の構造と特質
著者等紹介
松本三之介[マツモトサンノスケ]
1926年茨城県に生まれる。1948年東京大学法学部卒業。現在、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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