刑事司法とジェンダー

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784755402326
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0036

内容説明

刑事司法は性暴力加害者をどのように扱ってきたのか。連続レイプ事件加害者への長期間にわたる接見や往復書簡、裁判分析等により、性暴力加害者の経験に肉薄。強姦加害者の責任を問う法のあり方をジェンダーの視点から検証し、性暴力加害者の責任を問う法のあり方を提言する。

目次

序章(ジェンダーの視点;加害者の責任追及;先行研究;研究の対象と方法及び構成)
1章 性犯罪処罰規定と政策の歴史(日本近代刑法の制定;戦後の性犯罪をめぐる法と政策;被害者保護の潮流;性犯罪者の再犯防止政策)
2章 強姦事件における犯行動機の立証(事件の概要・加害者調査の経緯;動機の立証過程;捜査書類に書かれるもの;動機捜査の前提;動機の語彙と付与)
3章 加害性の追及(加害者の悪質さ;被害者の貶め;刑事裁判の目的)
4章 強姦加害者の語り(強姦以前;強姦行為;強姦の非犯罪化;強姦の世界観;課外意識;犠牲者意識)
終章(加害者に着目して見えてくるもの;法を有効に用いるために;加害者の再犯防止に向けて)

著者等紹介

牧野雅子[マキノマサコ]
1967年富山県生まれ。京都大学大学院文学研究科グローバルCOE研究員。奈良教育大学卒業後、警察官として勤務。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(人間・環境学)。社会学、ジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クレソン

4
怒りで頭がちりちりし、読み進めなくなる場面多数。女が書いて女が読むんじゃなくて男が書いて男が読めと思いながら読んでいたので著者の後書きと同じ気持ちだったように思う。怒りはあるが加害者へのフォローが必要なのはよく分かった。2019/12/22

カレーリーフ

4
性暴力を見つめる日本社会の姿勢を、根底から変革するきっかけにもなろうかという研究書。酷い犯罪の詳細な記録の本でもあるので読むのは辛かったが、近代以降の日本社会の性犯罪が、警察、検察、裁判官、弁護人、はては犯人自身の、一本化された陳腐な言葉と心性にいかに支えられているのか、精緻に描写されており、その謎解きのようなスリリングさに興奮した。2013/10/24

Meroe

2
お仕事用。連続強姦事件の加害者への聞き取りを軸にして、刑事司法システムが加害者をどのように扱い、加害者に責任を問う法のあり方を考える。捜査と取調における「性欲」「本能」という動機の付与、被害者=「妻となり母となる」夢を砕かれた人というスティグマ、女は男の所有物であるという論理を検察官も共有。「刑事司法は、女性を抑圧している差別性を解体するのではなく、その価値観に依拠して加害者を糾弾しながら、同時に被害者をも男性の所有物に貶めているのである」(p.119)。道のりは遠そう。博士論文の書籍化、2013年。2015/12/15

てくてく

2
男性性暴力加害者に対して女性研究者(元同僚)がインタビューを行っている点は興味深い。また、被害者保護だけではなく加害者へのジェンダー的分析が必要だという主張も納得できる。特に、「性欲によって犯行が行われたと断定する判決は、それ自体が次の事件捜査の知見となり、この動機概念が強化される」ことによって、加害者に反省の機会を与えないこと、また、被害女性にも責任を負わせる姿勢を一層強化することになるというコメントは忘れてはならないだろう。ただ、心理的アプローチをとっているためか、法に関する要約は弱い印象を受けた。2013/04/19

ほりほりぷ~

1
加害者に重点を置いたところはとても新鮮だったけど、もうちょっとおもしろい本にできたんでないかなぁと思った。加害者へのインタビューをもとにしてもうちょい分析を中心にしてほしかった。刑事司法が95%男の世界観でできてるのはまぁ、そうなんだろーなーってかんじ。司法の世界にもっと女性ご増えないとそこは変わんないんだろうな。2014/02/07

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