叢書「世界認識の最前線」
神と国家の政治哲学―政教分離をめぐる戦いの歴史

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  • サイズ A5判/ページ数 333p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784757141933
  • NDC分類 316.2
  • Cコード C3031

内容説明

政治と宗教の「偉大なる分離」は正しい帰結をもたらしたのか。ホッブズ、ルソー、カント、ヘーゲル、バルト、ローゼンツヴァイク…。彼らの思想を辿りつつ、現代にも通じる政治神学的変貌を明快かつ緻密に分析する。

目次

第1章 危機
第2章 偉大なる分離
第3章 倫理的な神
第4章 ブルジョアの神
第5章 よく整えられた家
第6章 贖う神
第7章 死産に終わった虚構の神

著者等紹介

リラ,マーク[リラ,マーク][Lilla,Mark]
コロンビア大学人文学教授。ハーヴァード大学で博士号を取得したのち、ニューヨーク大学、シカゴ大学を経て現職。造詣の深い著名な歴史家で、『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』誌にしばしば寄稿している知識人。ニューヨーク市在住

鈴木佳秀[スズキヨシヒデ]
敬和学園大学学長。国際基督教大学、同修士課程、東京教育大学博士課程を経て、クレアモント大学院に留学(博士号取得)。新潟大学大学院現代社会文化研究科教授・研究科長を経て現職。19世紀学学会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

20
第3部ではヴァイマール期の神学的思想家がとり挙げられていて、そこが本書の読みどころかとおもうけれども、政治神学の議論を扱った本にしてはよくもわるくもオーソドックスな通史の域を出ていないのが魅力を欠く。大陸系の著作家のあいだでは政治神学をめぐる議論はかなり充実していて、それらにまったく触れられていないのは(いつものこととはいえ)寂しい。偉大な政治(神学的)思想家が「なに」を言ったのかではなく、「どうして」それを言ったのか、それらのうちどんな戦略的成分が現在にいたるまで残存しているのか、そういう視点が欲しい。2017/05/29

D.Okada

3
おそらくニーチェを意識して「偶像の黄昏」という言葉を使っていると思うが、それはすでにはじまっているはずだった。が、本書は、われわれが課した「偉大なる分離」の限定を打破するような、つまり「政治生活を何かある大きな神学あるいは歴史ドラマの中に吸収するような」誘惑が、現代のヨーロッパ世界には依然として強固に存在することを、近代以降の、ホッブズ、ルソー、カント、ヘーゲル、バルト、ローゼンツヴァイクらの思想をたどりながら、政治と宗教について分析を加えている。現代を生きる者の前提を問うている。(続く)2012/03/11

ikeikeikea

2
マーク・リラの語りたい内容はとても興味深いのだが、訳がお世辞にもよろしくない。例えばこんな調子だ「皇帝のアッピールが国民に提示された数日後、トレルチはハイデルベルクで行われた公開の会合で語り、好戦的な祈りで終わる、特徴のない燃え立つような演説を後年提供してる」演説したのは数日後なのか後年なのか?2019/07/21

メルセ・ひすい

2
15-145 神を求める人間の欲求を主題とし、なかでも、西欧で何世紀もかけてなされた「宗教の政治からの分離」を真正面から取り上げる。思想家たちの思考を辿りつつ、現代における政治神学的変貌を明快かつ緻密に分析する。★神の絆をめぐる理解において、神からの啓示を重視する視点を変えて、ルソーもカントも人間の精神や心(理性)へと主題を移した。他方で基督の再臨によって最終的に贖われることは信じていても、人間はこの世界に取り残されたまま、旅を続けることを余儀なくされている。週末における贖いの意義は認められていても、※2011/12/20

しーぽん

0
政教分離の原則について、ホッブズ等にも遡って言及されています。歴史的な二次資料としては有用な本です。ただ、法学的な検討がほとんどされていません。そこの部分を期待して読むとすごく損をした気分になります。あと、こういっちゃなんですが、あんまり大したこと言ってません。平坦でなにも見るところのない道を散歩している気分になりました。2012/01/30

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