内容説明
その独創性と圧倒的な文献調査で注目される『日本文法の系譜学』の著者が、国語学史の空白に挑んだ論文集。山田文法研究に真のブレイク・スルーをもたらした伝説の論考「日本文法論とハイゼの獨逸文典」(正・続)を載録。これまで誰も発見できなかったハイゼの原文を、山田孝雄の書き込みと共に公開する。本書ではさらに、文法用語の初出認定をめぐる定説を覆し、那珂通世、チェンバレン、大槻文彦らに斬新な学史的考察を加える。
目次
第1章 研究史の諸問題
第2章 『日本文法論』とハイゼの獨逸文典
第3章 『日本文法論』とハイゼの獨逸文典2
第4章 Lijdend/Passiveの訳述起原―「受身」「働掛」および「助動詞」の初出文献をめぐって
第5章 那珂通世『國語學』の来歴
第6章 大槻文彦とChamberlainの系譜―受動使役をめぐる記述の歴史
第7章 言語の“Genius”と「國語の本性」―個別言語の特性をめぐるいくつかの学史的問題
著者等紹介
斉木美知世[サイキミチヨ]
日本学術振興会特別研究員などを経て、国学院大学、大東文化大学、神奈川大学非常勤講師。博士(言語学)。日本エドワード・サピア協会編集委員
鷲尾龍一[ワシオリュウイチ]
学習院大学教授、筑波大学名誉教授。博士(言語学)。日本言語学会評議員、編集委員、日本英語学会評議員、日本エドワード・サピア協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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