目次
第1章 ハーパーズ・フェリーから南北戦争へ(「ジョン・ブラウンの屍」という歌;妻メアリー・ブラウンのハーパーズ・フェリー;ジョン・ブラウン、ヒギンソン、ディキンスン;「リパブリック讃歌」とジュリア・ウォード・ハウ;潜航するジョン・ブラウン―ジュール・ヴェルヌの南北戦争)
第2章 ニューイングランドの風土(死の修辞学;ラルフ・ウォルド・エマソンと奴隷解放運動;リディア・マリア・チャイルド『ジョン・ブラウン書簡』からの一年―理想主義からリアリズムの想像力へ;世界改良のアメリカンドリーム―『セプティミアス・フェルトン』再読;最近のメルヴィル批評におけるジョン・ブラウン)
第3章 ジョン・ブラウンの反響(W.E.Bデュボイスによる伝記『ジョン・ブラウン』―ブラウンは「殉教の聖人」か「狂信的過激奴隷廃止論者」なのか?;南部作家とジョン・ブラウン―ロバート・ペン・ウォレン『ジョン・ブラウン伝』を中心に;ジョン・ブラウンの「動く砦」―記憶の変遷とその展示を巡って;ジョン・ブラウンと九・一一後のテロリズム;お玉杓子はジョン・ブラウンの子―替え歌としての「ジョン・ブラウンの屍」)
著者等紹介
松本昇[マツモトノボル]
国士舘大学教授
高橋勤[タカハシツトム]
九州大学教授
君塚淳一[キミズカジュンイチ]
茨城大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中山中
0
日本語でジョン・ブラウンについて書かれた貴重な一冊。総勢21名の研究者がブラウン一家やその時代、後世への影響を論じており、ジョン・ブラウンを多角的に知ることができる。つまり研究書なのだが、息抜きとしてコラムが配置されるなど堅苦しすぎない工夫がされている。また、ブラウンを知らない読者向けに、彼の生涯やその過激思想、襲撃事件の経緯も説明されている。ところで、彼を讃える歌として今や有名な「ジョン・ブラウンの屍」だが、同姓同名の別人をからかうために作られたものが定着したというのは面白いような悲しいような話だ。2022/11/30