内容説明
セルバンテスのドン・キホーテは自らの行いを悔いながら死んでいった。この結末の呪縛を乗り越えようとする現代版ドン・キホーテたちを日本とアメリカの小説から選りすぐり、彼らの「生き続ける」という前向きな選択の背景とメカニズムを比較する。
目次
第1部 アメリカ現代小説における非ロマン主義的『ドン・キホーテ』受容(ヨクナパトーファのドン・キホーテたち;生き続けるクエンティンのキホーティズム―『映画狂』のビンクス・ボウリング;太ったドン・キホーテ―ジョン・ケネディ・トゥールの『愚か者連合』)
第2部 日本現代小説における非ロマン主義的『ドン・キホーテ』受容(全共闘的ドン・キホーテの復権―矢作俊彦『スズキさんの休息と遍歴‐かくも誇らかなるドーシーボーの騎行』;ルカーチの冒険小説論を超えて―高橋源一郎『ゴーストバスターズ‐冒険小説』と『ドン・キホーテ』;「へり」に生きるドン・キホーテ―大江健三郎の『憂い顔の童子』)
著者等紹介
田中有美[タナカユミ]
2010年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、2014年博士(学術)。現在、日本女子大学人間社会学部文化学科講師(専任)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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