内容説明
持続可能な開発を進めようとする「国際社会」とは、どういうものなのだろうか?この抽象的な問いかけに対して、本書は「アイデンティティ」「地球文化」「国際協力」の3つの視点から具体的に事例を用いて答えようとする。「人類益」の実現に向けて、「国家中心」でなく「人間中心」の新しいグローバル社会を提起する。
目次
日本での国際関係論
第1部 アイデンティティの国際政治学(歴史発展とわれわれの課題―変革とアイデンティティの確立;誰が政策過程に参加するのか?―フィリピン政治の変化の可能性;民族/宗教アイデンティティが紛争を引き起こすのか?―アフリカの紛争を読み解く;シンガポールというアイデンティティ;ブータンの国民総幸福(GNH)は、オルタナティブな開発政策として「宣言」されたのか?)
第2部 地球文化のゆくえ(地球文化のゆくえ;戦争のない世界は実現可能か?;国際的な格差はなくせるか?;日本はソフトパワー大国たり得ているか?;北欧というアイデンティティ―北欧の世界史的意義とは何か?;国境を越えた「社会」を人びとは作れるのか?)
第3部 「人類益」へ向けた国際協力の現場―非国家的行為主体のトランスナショナルな活動(国際社会学へのプロレゴメナ―福祉「国際社会」の構築をめざして;地球規模問題を解決するためには?;子ども兵士のいない世界を創る―子どもが武力紛争に関与させられないためには?;援助は本当に役立っているか?―途上国で進むガバナンス改革の光と影、そして日本にできること;国連は平和の実現にいかに貢献できるか?―国内紛争に対する国連の役割の考察を通じて;国際公務員とは何か?―パレスチナでの滞在を通して)
著者等紹介
戸田真紀子[トダマキコ]
1963年生まれ。大阪大学大学院法学研究科博士課程後期単位取得退学、博士(法学)。現在、京都女子大学現代社会学部教授
三上貴教[ミカミタカノリ]
1959年生まれ。大阪大学大学院法学研究科博士課程後期単位取得中途退学。博士(英語学、名古屋学院大学)。現在、広島修道大学学長
勝間靖[カツマヤスシ]
1963年生まれ。ウィスコンシン大学マディソン校博士課程修了、Ph.D.(開発研究)。UNICEF(国連児童基金)職員を経て、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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