出版社内容情報
水野 和夫[ミズノ カズオ]
内容説明
アベノミクスもマイナス金利も8割の国民を貧しくする資本主義である。水野和夫が解き明かす21世紀の経済論。
目次
第1章 国貧論(国民の「貧」の性質と原因の研究;マイナス金利の真実;株式会社は時代遅れ)
第2章 資本主義の黄昏(アベノミクスの終焉;中国バブル崩壊の日;「ゼロ成長社会」への道筋;「近代の秋」への発想の転換;皇帝なき「閉じた」帝国の時代;原油価格1バレル=30ドル割れの教え;日本と世界の過剰資本)
第3章 21世紀の資本論(日本の「21世紀の資本」論―資本主義と民主主義のたたかい;「近代社会」のあらゆる前提が崩壊するなかで)
著者等紹介
水野和夫[ミズノカズオ]
1953年生まれ。法政大学教授。77年、早稲田大学政治経済学部卒業。80年、同大学大学院経済学研究科修士課程修了後、八千代証券(国際証券、三菱証券を経て現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。三菱UFJ証券チーフエコノミストを経て、2010年退社。同年、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)。11年、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)。12年、退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
28
久しぶりに水野先生の歴史観溢れる経済史感からみたアベノミクスを読めるのかと期待したのですが‥‥、これは酷すぎる。色々な所に書いた文章をなんの脈絡もなく、収録しただけで、ダブりも多いし、これでは経済本としての体裁をなしていません。水野先生もなんだか文章が下手になっている気がする。太田出版がすべての元凶なんだろうけれど、水野先生もこんな本を出したいたらダメ。見識を疑われますよ。2019/04/04
けんとまん1007
17
マスコミを通じて流れてくる情報は、基本的には鵜呑みにできないと思っている。水野先生の主張のほうが、何故かしっくりくるのはと考えてみると、日々の暮らしの中で感じている空気感に近いからだと思う。机上の数値だけで物事を判断している視点と、そうでない視点との違い。その視点の立ち位置をどこに置くかの違いでもある。今のこの国の流れは、いい方向ではないと思っている。あるものを提示し、それがうまく達成できない見通しになると、次のものを提示し目線を誤魔化し先延ばしするというやり方。民間では通用しないやり方でもある。2016/11/08
樋口佳之
12
生産関係が新しいステージへの桎梏となるという古のテーゼのお話と受けとめ。新しい中世って描き方はネガティブに過ぎる感があって、人生まだまだこれからっていう世代には歓迎されないのではと思いました。2017/08/21
makio37
9
『資本主義の終焉~』を読んでいたので、主張の大枠は把握済みではあった。今回印象に残ったのは、時代は「新中世」に向かい変転しており、今後土台となる理念は「よりゆっくり、より近く、より寛容に」であろうというメッセージだ。また、借金1000兆円はこの国で豊かな生活サービスと安全を享受するための出資金だという発想の転換も新鮮だった。一つだけ腑に落ちないのは、ゼロ金利の行方である。著者はこのままあと数十年続くと言うが、現下の国債バブルが終焉すれば金利上昇は避けられないのではないか。2016/11/06
nizimasu
6
水野先生の本は内容はさほど変わらないのだけれどつい読んでしまう。今回の著書では自身のこれまでの利子革命とわせてピケティの著作との共通点をあげている。それは資本主義の行き着く先は格差に繋がり株主を中心とする資本家とそれ以外の格差はどんどん開いてしまうという結論でこれまでと一貫した内容。ピケティは単なるブームにおわってしまったキライもあるけれど格差という見えないものを見える化した意義は大きくて読んでいてやけに説得力があったのも事実。過剰供給の世界の行く果てとローマの時代が不思議と重なって見えてしまうなあ2016/07/26