内容説明
賢明で巧妙なスミスの経済思想を「誤謬」という社会観を通して解読し、その思弁性と哲学性の復権を図る。
目次
第1章 アダム・スミスの構想
第2章 陰鬱な科学―マルサスとリカードウ
第3章 もっとも厳しい批判者―マルクスと社会主義
第4章 限界の探究―限界主義者とヴェブレン
第5章 宙に漂うさまざまな意見―ケインズ・ハイエク・シュンペーター
第6章 大いなる幻影
著者等紹介
亀崎澄夫[カメザキスミオ]
1948年生まれ。東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。経済理論専攻。博士(経済学)。広島修道大学教授
佐藤滋正[サトウシゲマサ]
1947年生まれ。名古屋大学大学院経済学研究科博士課程単位取古退学。経済学史専攻。尾道大学教授
中川栄治[ナカガワエイジ]
1946年生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。経済学史専攻。広島経済大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
8
「資本主義についてのマルクスの道徳的非難は、どこに揺るぎない立脚点を見出しうるのか。資本主義に対するマルクスの両義性は、さらに深く浸透しており、社会主義社会がどのようなものでありうるかという彼の認識そのものに悪影響を及ぼしている、と私は論じた。階級と搾取についての唯物史観という理論は、資本主義的社会関係を歴史的に過去に投影し、それらの社会に資本主義の中心にある搾取を再発見することになっている。社会主義についてのマルクスの構想は今度は、資本主義の機能的な輪郭の要約になっている。」2020/07/22