内容説明
結婚・出産・子どもの就学―人生の節目で、仕事のかたちをどう変えるか、時間をどう振り分けるか。長年にわたるインタビュー調査から、「パートタイム大国」オランダに生きる人々のライフスタイルを浮き彫りにする。
目次
1 働くことと生きること―なぜ、オランダか
2 ワーク・ライフ・バランスを考える
3 オランダ人の働き方はどう変わったか
4 ワークヒストリーをたどる
5 仕事と子育てを「組み合わせる」
6 母が働くとき、夫が子育てするとき
7 なぜ、パートタイムなのか
8 オランダ社会の変化のゆくえ
9 生きることと働くこと―「組み合わせ」の技法
著者等紹介
中谷文美[ナカタニアヤミ]
1963年、山口県生まれ。上智大学外国語学部卒業後、(財)京葉教育文化センター勤務を経て、オックスフォード大学大学院博士課程修了(D.Phil.取得)。現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科教授。専門は、文化人類学、ジェンダー論。主な著書・論文として、『「女の仕事」のエスノグラフィ―バリ島の布・儀礼・ジェンダー』(世界思想社、2003年、第32回澁澤賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えちぜんや よーた
79
時短勤務が生活や意識にどうやって浸透していったか記されている。ただその前提となる、1982年の「ワッセナー合意」についてほとんど言及されていなかったことが残念。1人当たりのGDPにして1.3倍、就業時間1時間あたりにして1.5倍の労働生産性を実現させている産業や具体的な企業名を知りたかった。基本給が同じでも、オランダの会社は日本の会社の3分の2ぐらいの勤務時間で家に帰えるのか!ええなぁ。2015/05/31
nakmas
3
バランスを取るより、組み合わせを作る方が大事。仕事と生活という区分も、それほど受け入れ易い訳ではないけど、 限られたというか、誰しも同じ長さが与えられている時間の中で、何と何をどのくらい組み合わせるか、できるだけ個人の裁量が反映されやすい社会がいいな。2016/02/15
HedgeHogs
1
・フルタイム・パートタイム・4×9・1.52015/05/29
綿
1
パートタイム労働が広まっていてもやはり女性の働き方としてのメジャーであって、男性が同じことをすると昇進が阻まれる(職種による)という理由で選択できなかったり、でも4日×9時間(フルタイム)/週で働く選択肢もあったり、3日と4日で結構な壁があったりなのだなと。仕事より大事なもの(趣味や友人関係や子供)があるから、多く働ける環境でもパートタイムを崩さないってのはわかるけど、パートタイムの中で選択することは自由でも、逆に子どもを週5で預けてフルタイムで働くことへは周囲の圧があるんだなとか。2015/02/25
たろさん
0
オランダのワークライフバランスの実態を記載した本。日本と違い、週休3日制度やパートタイム、在宅ワークなど現状の日本の一歩も二歩も進んでいる。最近は週休3日も可能な企業も日本で出てきたが、まだまだ少ない。ワークとライフの価値観のバランスが良く、それに声をあげる国民性(=政治的関心や選挙)が強いから成り立つと考えている。日本も全企業に産休育休制度はあるが、冷たい視線や職場の理解がない為、取得率を拒んでいる。だから求人広告に【産休取得可能!】と当たり前の権利を記載したりする。日本人の価値観と物申す国民性が重要。2016/01/07