内容説明
戦争・クーデター・大地震・テロなど、人類が破滅に至る数限りない危機を潜り抜けた現代。だが未来の「破局」は超克できるのだろうか。思想家・文学者・歴史家・精神分析学者・芸術家など鋭敏な知性は、破局にまみれた呪わしい歴史に如何に対峙したのか。「破局」をキーワードに、大胆で創見に満ちた現代社会批判。
目次
運命と陰謀
地震と革命
無の肖像
カフカと「カフカ」
クラムの城
ファニーを探す
精神の黒い森
エディプスの彼岸
神話と破壊
黒い影の中で
冷戦と冷血
死のルーレット
著者等紹介
飯島洋一[イイジマヨウイチ]
1959年、東京生まれ。1983年、早稲田大学理工学部建築学科卒業。1985年、同大学大学院修士課程修了。建築評論家/多摩美術大学教授。1955年に日本文化デザイン賞受賞。2003年にサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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6
建築家によるフランス現代思想風味の歴史と芸術を廻る論考。内容は少し軽く、その割に分厚さが際立つ本だったが、引用が多く読書案内としては為になった。『ドイツの宗教改革』ペーターブリックレ、ルターがラテン語聖書で「汝の労働にとどまり」労働を職業に改変。プロテスタントティズムの職業倫理への布石、フルブロック、ドイツ近代の遅れはルターが皇帝、教会に対抗し、領邦を支配する諸公に頼ったため。トクヴィル二月革命の一般原因はパリへの農民の流入、フランス革命の中央集権化により、パリのみ制覇すれば革命が可能となったetc.2018/06/05
youfuruya
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フランス革命から現在に至るまでを切り取った知の冒険。ぼくには少々難解なところもありましたが、おもしろかったです。2013/10/16