彼女の「正しい」名前とは何か―第三世界フェミニズムの思想 (新装版)

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彼女の「正しい」名前とは何か―第三世界フェミニズムの思想 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791772100
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C1010

出版社内容情報

他者の呼びかけに応えるために
西洋フェミニズムの「普遍的正義」の裏に、異なる文化への差別意識がひそんではいないか。女性であり、かつ植民地主義の加害者の側に位置することを引き受け、「他者」を一方的に語ることの暴力性を凝視しながら、ことばと名前を奪われた人びとに応答する道をさぐる文化の政治学。

内容説明

西洋フェミニズムの「普遍的正義」の裏に、異なる文化への差別意識がひそんではいないか―。女性であり、かつ植民地主義の加害者の側に位置することを引き受け、「他者」を一方的に語ることの暴力性を凝視しながら、ことばと名前を奪われた人びとに応答する道をさぐる、大胆にして繊細な文化の政治学。

目次

彼女の「正しい」名前とは何か
1 「第三世界フェミニズム」とは何か(「第三世界」と「西洋フェミニズム」;カヴァリング・ウーマン、あるいは女性報道;「女性割礼」という陥穽、あるいはフライデイの口)
2 発話の位置の政治学(「文化」をどこから語るか;「グローバル・フェミニズム」の無知;置き換えられた女たち―第三世界の女のエクリチュール―トリン・T・ミンハを中心に)
3 責任=応答可能性(蟹の虚ろなまなざし、あるいはフライデイの旋回;Becoming a Witness―出来事の分有と「共感」のポリティクス;転がるカボチャ、あるいは応答するということ)
「他者」の存在を想い出すこと

著者等紹介

岡真理[オカマリ]
1960年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題、第三世界フェミニズム思想。2009年から平和を目指す朗読集団「国境なき朗読者たち」を主宰し、ガザをテーマとする朗読劇の上演活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くまさん

32
著者の鮮烈な問いを前に立ち尽くしながら、理解したい問題がここにあると強く感じる。パレスチナ人女性の証言を聴きとる私とは誰か。「その存在の可能性を私の思考の外部にあらかじめ排除された他者」たちと真の意味で出会うにはどうしたらいいか? 「私たちは、自分が何者であるかを、いかなる名前で自分を呼んだらよいのか、本当に知っているのだろうか」。植民地主義支配の非対称性、他者を一方的に名付け規定する暴力性、書くことと思考することの立ち位置をありありと対象化する。この自己批判的な姿勢は唯一無二だと思う。装幀は菊地信義氏。2020/01/02

松本直哉

27
書くことは特権であり越権であり暴力にもなりうる。女性外性器切除の慣習は野蛮だから廃絶すべきと書くのは簡単だし主張自体は100%正しいが、主体/客体の分断で発せられることばは、その慣習だけをとりあげて、その周辺の文化の綾をとりこぼし、アフリカ文化=野蛮を定式化してしまう。彼女らのひとりに呼ばれて、我と汝の間柄でメッセージを受け取るとき(たとえ誤配・遅配でも)はじめて主体は脱臼され、そのことばへの応答=責任を求められる。撮影カメラの後ろで座っているのではなく、彼女が落としたかぼちゃを拾いに走り出るようにして。2020/09/26

かふ

21
フェミニズムとサイードの「文化帝国主義」という問題。難しい。西欧中心のグローバルなフェミニズムは自国中心の論理で第三世界の文化を破壊していく。パレスチナでイスラエルがいくら正しい欧米の論理でもパレスチナでのジェノサイドが正しいとしてもそれは人々に沈黙を強いるのだ。ローティの弱者の方に付くということかもしれない。論理よりも感情による共感なのか?上野千鶴子が反論として論理的に責めているがそのような論理がすでに岡真理を黙らせることなのだと思う。何故ならすでに彼女は行動しているから。2024/03/04

ネギっ子gen

18
【著者の思い】<学生時代からパレスチナと関わってきた私にとっては、私たちが生きる「いま」を理解するために植民地主義という観点が不可欠であることは経験的にも自明だった。このようにして培われた問題意識が、90年代後半に、本書に収録された一連の論考を書かせることになった。フェミニズムだけが問題なのではない。「西洋フェミニズム」として批判されるフェミニズムに孕まれた植民地主義的性格が日本社会で等閑に付されてしまうのは/植民地主義的暴力に対する無自覚さの現れなのだ>として、20年後の一昨年に新装版として。要再読。⇒2021/01/08

ask_smmt

6
フェミニズムの問題がフェミニズム単体で存在しえないことを、鮮明に思い出させてくれる。西洋フェミニズム、グローバルフェミニズムが堂々と捨象してきた問題を浮かびあがらせ、またフェミニズムと複合的に考えるにはどうすればよいか、ひとつのやりかたを示している。また後半ではことばをめぐって論理を展開していてこれも読みどころのひとつである。小説は内容如何にかかわらず、それ自体が西洋中心主義的、植民地主義的という指摘にははっとした。2019/11/29

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