内容説明
18世紀のフランスおいて、美学的・道徳的批判にさらされ、文学の下流に甘んじていた近代小説は、どのようにして自らを洗練させ、19世紀には文学の中心を担うまでに至ったのか。ヴォルテール、ルソー、レチフ、サン=ピエール、メルシエ、サドからその諸相を明らかにする。
目次
第1部 黎明期小説の諸相と試み(カンディードの顎ひげ;小説『新エロイーズ』におけるオペラ;羽虫の科学、牧人の知―ベルナルダン・ド・サン=ピエールにおける科学と小説;多作家メルシエの生涯と作品;父と息子をつなぐ物語―『わが父の生涯』から『ムッシュー・ニコラ』へ ほか)
第2部 継承から展開へ(“アタラの埋葬”を読み解く―文学と美術と歴史の交錯;『危険な関係』を読むボードレール;『ブヴァールとペキュシェ』における殉教者の挿話―ヴォルテールの読書ノートを中心に;サドの継承者フロベール)
著者等紹介
植田祐次[ウエダユウジ]
1936年、旧満州国に生まれる。青山学院大学名誉教授。専攻は、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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