内容説明
文豪たちが残した赤裸々な罵詈雑言。
目次
1 太宰治の章
2 中原中也の章
3 無頼派×志賀直哉の章
4 夏目漱石の章
5 菊池寛×文藝時代の章
6 永井荷風×菊池寛の章
7 宮武外骨の章
8谷崎潤一郎×佐藤春夫の章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
179
オーディオブックでの“耳読”。香川県民としては、“郷土の偉人”である菊池寛&宮武外骨がピックアップされているのは嬉しいですね!(…って、いやいや、別に香川県民には口の悪い人間が多いってことではありませんので笑) 逆に、菊池寛のことをボロクソに批判している永井荷風&今東光は、この本をきっかけにして大嫌いになりました(苦笑) 太宰治と志賀直哉の対立について評した坂口安吾は好感度上昇↑…一方、谷崎潤一郎と佐藤春夫の応酬では、どちらも印象が悪化しました↓ 夏目漱石も、あまり友人にはしたくないタイプですね…(苦笑)2021/04/10
いつでも母さん
151
何というか、もう‥「こどもか!」って感じ(笑)大人だから手に負えない(笑)作品と人間性は違うのを地で行く(当たり前ですね)先生方、良き時代でしたね!後の世ではこんな事(もはや笑いの種か)になっておりますよ。2023/06/03
夜勤中の寺
101
今日は桜桃忌だった。たまたまこんな関連本を読んでいるボク。本書はコンビニでよく売っている彩図社の本だが、面白かった。著作権が切れるのも良いもんだ。太宰治をはじめ、文豪達の悪口がまとめてある。太宰の川端康成・志賀直哉への悪口は有名なやつなのであれだが、面白かったのは菊池寛VS今東光・永井荷風。抜粋とはいえ『断腸亭日乗』を初めて読んだ。宮武外骨の文士揶揄も載っている。私も歳を取ってきたからか、若い頃みたいに外骨のような人をあまり尊敬しなくなっている。我ながら良い傾向だと思う。谷崎VS佐藤は谷崎の勝ちだと思う。2019/06/19
青蓮
86
タイトルに惹かれ購入。太宰の激しい志賀直哉への怒り、中也の破天荒な言動、無頼派VS志賀直哉、永井荷風VS菊池寛、谷崎潤一郎VS佐藤春夫etc...悪口から見える文士達の濃密な関係性が面白い。荷風の異様な菊池嫌いは此処までくると天晴れ。中也の「やいヘゲモニー」には思わず笑ってしまった。谷崎と佐藤の手紙からは拗れた関係を何とか修復しようと歩み寄る様が見てとれてこの2人はやっぱり友達だったのだなあと思いました。宮武外骨の「文壇ズボラ競」「現代文士種族別一覧表」が面白い。2019/07/31
ゆはず@底。なんかな。
68
ぱらぱらと楽しんだ。どなたも文豪の方々、個性豊かな口撃、ザックリやっちゃうこと極まりない。太宰に対して「ネガティブな自信家」とか言っちゃてる「彩図社文芸部」自体、結構なセンスだが。中原中也は想定より口が悪い。谷崎と佐藤の女をめぐる確執に関わる手紙のやり取りが、まぁ笑える。その結末が結末なだけに、結局二人でじゃれてんじゃないの、と思ったりもするが。2021/02/21