産廃Gメンが見た食品廃棄の裏側

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822251567
  • NDC分類 588
  • Cコード C0095

出版社内容情報

 食品廃棄物は年間2800万トンに上る。年間国内農業生産量2650万トンを上回る。そのうち、食べられるのに捨てられている食品は同642万トンもある。食品廃棄物問題は、豊かなニッポンの壮大なる矛盾といえる。
 「事件」が発覚したのは2016年1月。実に衝撃的な事件だった。廃棄されたはずの食品がスーパーの店頭などで売られ、消費者の口に入っていたのだ。
 売られていたのは、壱番屋(本社・愛知県一宮市)が展開するカレー専門店チェーン最大手の「カレーハウスCoCo壱番屋」が廃棄した冷凍カツ。

 食品リサイクル施設を運営していた産業廃棄物処理業者のダイコーから流出し、みのりフーズ(岐阜県羽鳥市)を介して再流通していたのは冷凍カツ数万枚とも数十万枚とも言われる。愛知県警の調べによると、みのりフーズの倉庫から、ダイコーが処理を受託した21社35品目60製品の廃棄食品が発見された。有名メーカー、有力流通業の名前がずらりと並んだ。
 冷凍カツ不正転売事件から見えてくる深刻な日本の「食」と「廃棄物」の真相に、産廃Gメンが斬り込んだ。


第1章 懲りない食品偽装
第2章 食品廃棄の裏側
第3章 国の対策は十分なのか
第4章 法律の死角
第5章 フードサイクルへの挑戦


石渡 正佳[イシワタ マサヨシ]
日本大学経済学部卒業、1981年千葉県入庁。1996年から産業廃棄物行政を担当、産廃Gメン「グリーンキャップ」の創設に関与。2001年から不法投棄常習地帯といわれた銚子・東総地域の監視チームリーダーとして短期間で同地域の不法投棄ゼロを達成。主な著書に『産廃コネクション』(WAVE出版、2002年日経BizTech図書賞受賞)、『不法投棄はこうしてなくす 実践対策マニュアル』(岩波ブックレット)、『スクラップエコノミー』(日経BP社)、『産廃ビジネスの経営学』(ちくま新書)など。

内容説明

まだ食べられるのに捨てられている食品が年間約642万トン!冷凍カツ不正転売事件から見えてくる深刻な日本の「食」の問題に産廃Gメンが斬り込む。

目次

第1章 懲りない食品偽装(肥料化の罠;食の安全を揺るがした食肉偽装事件)
第2章 食品廃棄の裏側(ダイコーはどんな会社だったか;腐敗した廃棄物を誰が撤去するのか?;食品廃棄物流出の背景;食品リサイクルの方法;新たな可能性)
第3章 国の対策は十分なのか(環境省VS農水省;電子マニフェスト不正検知システム;羹に懲りて;オフィシャル情報をうまく使え;優良業者の意外な真実)
第4章 法律の死角(廃棄物該当性問題;一廃、二廃、産廃;ご都合主義のリサイクル率;廃棄物の脱商品化特性;産廃の錬金術)
第5章 フードサイクルへの挑戦(全体最適化を実現せよ;捨てないリサイクルは可能か;循環産業から環境制御産業へ)

著者等紹介

石渡正佳[イシワタマサヨシ]
日本大学経済学部卒業、1981年千葉県入庁。1996年から産業廃棄物行政を担当、産廃Gメン「グリーンキャップ」の創設に関与。2001年から不法投棄常習地帯といわれた銚子・東総地域の監視チームリーダーとして短期間で同地域の不法投棄ゼロを達成。主な著書に『産廃コネクション』(WAVE出版、2002年日経BizTech図書賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スパシーバ@日日是決戦

99
{2016年}2016年1月、「カレーハウスCoCo壱番屋」が廃棄した冷凍カツが複数のスーパーや弁当屋で売られていたことが発覚。食品リサイクル施設(産業廃棄物業者)のダイコー[倒産]から流出し「みのりフーズ」を介して流通していた事件は記憶に新しい。品質管理が難しい上にせっかく肥料や飼料を作っても売れない。 安く処理できればいいと考えるメーカー、処理せずに廃棄物を転売した業者は二重取り。しかも食べてしまえば証拠が残らない「消費者の胃袋」が不法投棄現場になった! 典型的な縦割り行政の悪しき慣習。2016/08/25

けんとまん1007

19
僅かながら、野菜だけは自力で作っていることもあり、食べ物については、少しは思いをもっているつもり。それにしても、今のこの国の法律は、縦割りの弊害が色濃くあって、抜け穴だらけだということがわかった。とは言え、これに関わっている人たちは、何を想って横流しなどをするのだろうか?おそらく、自分や、その家族は食べないから・・・なのだろうか。確かに、食料のかなりを外国に依存しながら、膨大な廃棄をしている国でもあるので、基本的なところに立ち返る必要がある。2017/07/21

大阪魂

14
千葉で廃棄物行政担当されてた著者がダイコーの冷凍カツ横流し事件うけて書かれた本。まだ食べれる食品とかが廃棄されまくってるんやねー。ゆーてはるみたいに、肥料とか飼料とかエネルギーとか含めて、いろんなリサイクルできるようになったらええねんけどな。フードバンクとかで活用したら子どもの貧困問題への対応にもなるやろし ね。餡子を生菓子、羊羹、最中って何度も活用してた日本人の知恵、ほんま今のこの問題にも活かせますよーに!2017/02/24

もえたく

13
千葉県庁で廃棄物行政に関わり産廃Gメンとして成果をあげてきた著者が廃棄カツを転売していた事件をテーマに書いた本なのですが、専門用語が多く、ちょっと一般的ではありませんでした。2016/09/13

海星梨

11
この夏読んだどの実録怪談よりも怖かった。物流の最終地点は小売ではなく、廃棄。リサイクルには厳密な区分が必要だけど仕組みがなく、受け入れ時点で売上が発生し処理で経費が掛かれば儲けが減る、三分の一ルールでまだ期限のあるものが廃棄され転売したくなる、という闇。その結果、冷凍品の管理環境がわからないまま小売にまた戻ってくる事件に発展する。そして、経済界=上流には気を使うけど、下流、それも最終地点には政治は無関心というのがいちばんの問題。国民の健康問題、環境問題として取り組みが望まれるがあの総理じゃなぁ……2023/08/28

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