内容説明
大正デモクラシーの時代の政界で「影の実力者」として活躍した水野直の生きざまを描いた本格的評伝。25歳の若さで貴族院有爵議員となり、後半生のほとんどを貴族院議員として過ごした水野は、最大会派「研究会」の領袖として絶大な政治力を発揮し、原敬と提携するなど、この時代の政党政治の安定に大きく寄与した政治家として知られている。水野直日記、追悼録、研究会関係文献や関係者聞き取り資料などを駆使して「貴族院の怪物」と評された水野直の新たな人物像に迫る一冊。
目次
第1部 生い立ちと学修(生い立ち;学習院から東京帝国大学へ)
第2部 貴族院指導者への道(貴族院議員となる;談話会問題;大正初年の貴族院;貴族院の覚醒;教育調査会・臨時教育会議)
第3部 官僚派から政党へ(大研究会;「十人会」と反幹部派;原内閣の危機―文省二枚舌問題;原敬没後―高橋内閣)
第4部 二つの貴族院内閣と護憲三派内閣(貴族院内閣―加藤友三郎内閣;再度の貴族院内閣―清浦奎吾内閣;護憲三派内閣と貴族院改革)
第5部 ポスト大正デモクラシーの時代(陸軍政務次官時代;第一次若槻内閣;田中内閣時代;北海道とのつながり)
著者等紹介
西尾林太郎[ニシオリンタロウ]
愛知淑徳大学交流文化学部教授。1950年、愛知県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(政治学)。北陸大学法学部助教授、愛知淑徳大学現代社会学部教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。