内容説明
今ある本文、今ある注釈を鵜呑みにしてはならない。―『堤中納言物語』研究への革新的提言の書。本文批判の徹底と厳密な本文解釈にこだわり、従来の漫然たる読みを洗い直す。書名そのものをめぐる独自の仮説も収録。
目次
1 『このついで』試論―第二話の読解を手がかりとして
2 『このついで』篇名由来考
3 観音霊験譚としての『貝あはせ』―観音の化身、そして亡き母となった男
4 『ほどほどの懸想』試論―頭中将は後悔したか
5 幻惑装置としての現存本文―『逢坂越えぬ権中納言』復元
6 『思はぬ方にとまりする少将』ところどころ
7 『はなだの女御』の“跋文”を考える―『堤中納言物語』の本文批判と解釈
8 『堤中納言物語』書名試論
著者等紹介
後藤康文[ゴトウヤスフミ]
山口県下関市生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。九州大学文学部助手、宮崎大学教育学部助教授を経て、北海道大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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