映画の言葉を聞く―早稲田大学「マスターズ・オブ・シネマ」講義録

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  • サイズ A5判/ページ数 471p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784845917105
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0074

出版社内容情報

「映画づくりは何を考えることから始まるのか?」

「良い脚本の条件とは?」「演技とは何か?」

「作品が世界を変えることはできるのか?」



名だたる巨匠から気鋭の若手まで、映画監督、俳優、テレビディレクター、プロデューサーなどの映像制作者たちが、実作をめぐって語る白熱の映画講義!







多彩な映像制作者たちをゲストに招き、制作にまつわる様々な事柄を語る早稲田大学の人気講義「マスターズ・オブ・シネマ」。本書は、2016年度、2017年度の全授業に加え、特に人気の高かった過去の講義の模様を収録。現場における知識や経験だけでなく、枠に囚われない考えや手法、作品の制作秘話などを、学生と対話しながら詳らかに明かしています。



より良い作品づくりのために、制作者たちは何を考え、実行してきたか。

その声に耳を傾けることで、映像をめぐる創作行為への入り口に立つことが出来ます。



学生のみならず、映像制作に関心のある方や従事者、それぞれの作品のファンにもおすすめしたい、映像業界にとって普遍的で実用的な一冊です。



[登壇者]

押井守/鈴木敏夫/古舘寛治/森達也/篠崎誠/山田キヌヲ/横浜聡子/李相日/真利子哲也/井上剛/杉野希妃/山崎貴/細田守/石井岳龍/荒木啓子/西川美和/是枝裕和/瀬々敬久/片渕須直/柄本明/北野拓/奥田庸介/熊切和嘉/石井裕也/池松壮亮/古谷敏/世武裕子/イザベル・ユペール/井浦新/濱口竜介/瀧本幹也/土井裕泰/佐野亜裕美/橋本忍/山田洋次/大林宣彦

はじめに



2016年度

押井守[映画・アニメ-ション監督]+鈴木敏夫[映画プロデューサー] 国境を越えた映画をつくる

古舘寛治[俳優] 演じることとは役柄の欲求を見出すことである

森達也[映画監督] 映像表現に中立はない

篠崎誠[映画監督]+山田キヌヲ[俳優] 幻影と分身、希望と怖れ

横浜聡子[映画監督] 移り変わる何かを捉えるために

李相日[映画監督] 流れを途切れさせないために

真利子哲也[映画監督] 「映画を見せる」ということの暴力

井上剛[テレビディレクター] 開かれたテレビのために

杉野希妃[俳優・映画プロデューサー・映画監督] 世界にひるまない創造行為を

山崎貴[映画監督] 作品のすべてを考えながら映画をつくる

細田守[映画監督] 映画をつくることは公園をつくるようなもの

石井岳龍[映画監督]+荒木啓子[PFFディレクター] 映画とは白昼夢のようなものだ

西川美和[映画監督] 現場の自由を獲得するために



Interlude 是枝裕和監督に聞く??学生たちとの対話



2017年度

瀬々敬久[映画監督] 大きな映画と小さな映画を同時につくる

片渕須直[アニメーション監督] 「世界の片隅」のその外側へ

柄本明[俳優]+北野拓[テレビディレクター] 演技なんて、台本に書いてあることを喋るだけだ

奥田庸介[映画監督] 技術で映画を撮ることはしない

熊切和嘉[映画監督] 映画の歴史とは、アダプテーションの歴史でもある

石井裕也[映画監督]+池松壮亮[俳優]+荒木啓子[PFFディレクター] 観客のその先の未来まで考えて映画をつくる

古谷敏[俳優・スーツアクター] 仲間たちはウルトラマンを待っていた

世武裕子[映画音楽作曲家] 正しさの枠にとらわれない表現を求めて

イザベル・ユペール[俳優] 映画という二重の旅

井浦新[俳優] 頭の中にある芝居についての考え方など、たかが知れている

濱口竜介[映画監督] 映画とは事実を用いたペテンである

瀧本幹也[写真家] 写真を撮ること・映像を撮ること・映画を撮ること

土井裕泰[テレビディレクター]+佐野亜裕美[テレビプロデューサー] テレビは「今」を更新する



巨匠たちの言葉

橋本忍[脚本家・映画監督]+山田洋次[映画監督] 脚本を通じての、映画の神髄・表現の本質

大林宣彦[映画作家] 映画は、嘘から出たまこと



あとがき 安藤紘平

安藤 紘平[アンドウコウヘイ]
編集

岡室 美奈子[オカムロミナコ]
編集

是枝 裕和[コレエダヒロカズ]
編集

谷 昌親[タニマサチカ]
編集

土田環[ツチダタマキ]
編集

長谷正人[ハセマサト]
編集

元村直樹[モトムラナオキ]
編集

内容説明

名だたる巨匠から気鋭の若手まで、映画監督、俳優、テレビディレクター、プロデューサーなどの映像制作者たちが、実作をめぐって語る白熱の映画講義!

目次

2016(押井守(映画・アニメーション監督)+鈴木敏夫(映画プロデューサー)―国境を越えた映画をつくる
古舘寛治(俳優)―演じることとは役柄の欲求を見出すことである ほか)
Interlude(是枝裕和監督に聞く―学生たちとの対話)
2017(瀬々敬久(映画監督)―大きな映画と小さな映画を同時につくる
片渕須直(アニメーション監督)―「世界の片隅」のその外側へ ほか)
巨匠たちの言葉(橋本忍(脚本家・映画監督)+山田洋次(映画監督)―脚本を通じての、映画の神髄・表現の本質
大林宣彦(映画作家)―映画は、嘘から出たまこと)

著者等紹介

安藤紘平[アンドウコウヘイ]
1944年生まれ。映画監督、早稲田大学名誉教授、東京国際映画祭プログラミングアドバイザー。早稲田大学理工学部在籍中にパリへ留学。帰国後、1967年に寺山修司率いる演劇実験室「天井桟敷」に入団。早稲田大学卒業、1968年にTBSに入社。1969年に製作した電子映像を使った日本初の作品である『オー!マイ・マザー』(1969)が、オーバーハウゼン国際短編映画祭入選。2005年にはパリで「安藤紘平回顧展」が開催された、2004年に早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授に就任。2005年からの「マスターズ・オブ・シネマ」開講に尽力。同講義に多くの映画人を招致し、2014年の退官まで運営の中心を担った

岡室美奈子[オカムロミナコ]
1958年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、同大学坪内博士記念演劇博物館館長。国立アイルランド大学ダブリン校にてサミュエル・ベケットの演劇・テレビドラマ研究により博士号を取得。専門は現代演劇とテレビドラマ研究。ドラマ批評家としても活動し、ギャラクシー賞テレビ部門選奨委員、コンフィデンスアワード・ドラマ賞審査員などを歴任

谷昌親[タニマサチカ]
1955年生まれ。早稲田大学法学部教授。専攻はフランス現代文学・映像論。1987年にパリ第三大学第三期課程博士号を取得。1990年に早稲田大学法学部専任講師、1999年より現職

土田環[ツチダタマキ]
1976年生まれ。早稲田大学理工学術院講師。専門は映画史・映画美学、映画上映マネジメント。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学、ローザンヌ大学、パリ第八大学、ローマ第三大学の大学院に学び、2016年より現職。学生時代より、山形国際ドキュメンタリー映画祭をはじめとして、内外の映画祭や企画上映のプログラムを担当するほか、海外の映画製作業務に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

71
podcast『シネマティフ』で知った映画監督や俳優などと学生のインタビュー集で、映画好きのための読みどころ満載な一冊。例えば初めて知った李相日監督の「ロケハンに対してシナハンがあり、これは脚本を書きながらいろんなところをめぐってイメージを膨らませる作業です。」とか、「映画の面白さって、たとえば人生とか社会というものに対して、一面ではない別の視点からの見方を見つけられるということですね。」と言ってそれを具体化する石井裕也監督、黒沢明監督の自然な演技のための仕掛けについて話をする大林宣彦監督など…。2018/07/29

踊る猫

23
豪華なゲストが代わる代わる登壇し、それぞれの哲学を喋ってみせる。ひとりひとりに割く時間が短過ぎるのではないかという不満もあるのだけれど、逆に言えばそれだけ多くのゲストを招聘したかったからという風にも受け取れる。是枝裕和監督や西川美和監督、濱口竜介監督や過去の偉人までメンツはヴァラエティに富んでおり、こちらを読む手を止めさせない。この本を片手に映画沼にズブズブとハマって行くのが映画ファンの鑑なのではないかと思う。観たい映画が増えてしまった……そのような凡庸なオチしかつけられないのはこちら側の怠慢故なのか……2018/05/28

こうすけ

16
柄本明の話が禅問答のようでカッコいい。また、橋本忍が学生に向かって語った、「君たちは自分自身に何かを付け加えたくてここにいるわけじゃなく、自分自身の大切なものを失いたくなくてここにいるんだよね」という言葉が泣けた。そして、大林宣彦。この人の言葉は読むたびに変わっているなぁと思うけど、なぜか心に残る。「スクリーンの白は、仏が願った世界をここに描けるかと人間に挑んでいる白だ」とのこと。2020/08/31

matsu

7
映画が好きな人にはとても興味深い一冊。是枝さんの西川監督へのインタビュー、橋本忍さんと山田太一さんの対談、片渕監督、大林監督、イザベルユペール、細田監督へのインタビューなどなど。中々聞けない映画の裏話が盛り沢山。七人の侍ができるまでの話とか、ウルトラマンのあのポーズができるまでとか。とても楽しかった。2018/06/07

まさやん80

2
早稲田大学で行われた講義「マスターズオブシネマ」の2016年、2017年の講義録。丁度映画を公開するタイミングで開かれることが多いので、まさに旬の人が語るわけである。面白くないはずがない。聞き手がきちんと準備しているので、しっかりした対談となっており読み応えがある。中でも、巨匠たちの言葉として、橋本忍が山田洋次と語る対談は圧倒的です。2018/04/11

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