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内容説明
平和的な南太平洋という神話は、いつ、なぜ、崩壊したのか。身体的暴力から国際的な争いまで、詳細な事例研究によりオセアニアの政治的変動・諸問題を鋭く分析・考察する。
目次
イノセンスの終焉にて―オセアニアにおける“紛争”の比較民族誌的研究にむけて
第1部 暴力(イフォガ―サモア社会の謝罪儀礼;トンガにおける都市性と他者性の現在―暴力の発露としての首都暴動再考;先住民と暴力―マオリ像の変遷に関する試論)
第2部 民族対立(敵と結婚する社会―ニューギニア高地における紛争の拡大と収束の論理;紛争下の日常を生きる人々―ソロモン諸島ガダルカナル島北東部における紛争経験;分裂と統合のはざまで―フィジーにおける二〇〇〇年クーデタと西部政体の樹立運動)
第3部 政治的混乱(脱植民地化過程における軋轢の胚胎―バナバ人とキリバス人の境界生成;ウェストミンスター型とビッグマン型政治―パプアニューギニア現代政治の分水嶺;太平洋諸島フォーラム諸国によるフィジーへの介入―地域安全保障協力をめぐる動態)