内容説明
十七世紀以降、英米は、一度も負け組に回ったことがない。どうしてそんなに強いのか?本書がその問いに答えている。秘密は、二つのG、神と黄金の特殊な接合にある、と。つまり、資本主義と結託した特異なキリスト教こそが鍵だ、と。
目次
アングロ‐アメリカ勢力と世界をめぐる「六つの問い」
第1部 海象と大工(神はわれらの側にあり―クロムウェルからブッシュ・ジュニアに至る内部の敵との戦い;価値観を共有するアングロ‐サクソン人―ルイス・キャロル「海象と大工」とデフォー「生粋のイングランド人」;彼らはわれらをいかに憎みしか―英語国民とワスプ嫌いの人びとを隔てる壁)
第2部 すべての国より畏怖と羨望の的となりし(海洋国家システムのヴァージョン・アップ―オランダからイギリスを経てアメリカへ;フランス、この厄介な国―イギリスの海洋国家システムに挑戦するナポレオン;世界は彼らの牡蛎であった―英語文化圏としてのイギリス帝国の拡大;力の源泉―英語圏における公信用と私的信用の制度的基盤・イングランド銀行;イートン校の運動場―消費革命、交通革命、情報革命、大衆文化、スポーツの発展;ゴルディロックスと西洋―資本主義という荒馬を御す英語国民の国)
第3部 アングロ‐サクソンの態度(ワスプと蜜蜂―「開かれた社会」と「閉ざされた社会」、「動的宗教」と「静的宗教」;ブレイの牧師―宗教への固執と懐疑主義との共存;教義対教義―カトリックとプロテスタントと啓蒙思想のせめぎ合い)
著者等紹介
ミード,ウォルター・ラッセル[ミード,ウォルターラッセル] [Mead,Walter Russell]
バード大学外交・人文科学教授および論壇サイトThe American Interest総合監修者。外交問題評議会ヘンリー・A.キッシンジャー米外交政策上級研究員を歴任。『神の加護』は、英エコノミスト誌が「世界で最も重要なノンフィクション賞」と評したライオネル・ゲルバー賞を2002年に受賞
寺下滝郎[テラシタタキロウ]
翻訳家。1965年、広島県呉市に生まれる。1988年、学習院大学法学部政治学科卒業。1999年、東洋英和女学院大学大学院社会科学研究科修了。修士学位論文「日本における外国経済界のロビイング~在日米国商工会議所(ACCJ)を中心に」で長野賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。