内容説明
第1部は、奈良女子大学のCOE「古代日本形成の特質解明」の一環として開催されたシンポジウム「死の機能―前方後円墳とは何か」(2008.10.13)の記録。巨大な前方後円墳が、なぜ築造されたのか…。初期の国家は、なぜ死者のためにあのような巨大な施設をつくったのか…。古墳時代を、日本国家形成の一段階として、正当に位置づける。第2部には、上記シンポにパネラーとして参加した佐藤弘夫氏の新著『死者のゆくえ』の書評2本を収める。同書は、死と生のありようを古代から現代までを見通した問題作で、本テーマにかかわる重要な問題を提起している。
目次
1 シンポジウム「死の機能―前方後円墳とは何か」(古墳造営を促した死のイメージ―無主の身体の発見と所有;「大和」原風景の誕生―倭王権が描いた交差宇宙軸;前方後円墳に宿るもの―祖霊観の系譜からみた;箸墓の意味―崇神天皇紀の読み解き方;討論)
2 佐藤弘夫著『死者のゆくえ』をめぐって(「霊魂」発見のプロセスについて―『死者のゆくえ』を読んで;近世史思想史研究の視点から―書評『死者のゆくえ』)
著者等紹介
小路田泰直[コジタヤスナオ]
1954年生まれ。京都大学大学院文学研究科単位取得退学。奈良女子大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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