内容説明
偉才・奇才・天才がひしめく17‐18世紀、電話もeメールもない時代に1300人もの哲学者・数学者・神学者、さらには政治家や貴婦人たちと手紙を交わしていたゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ。膨大な往来信の中から、ライプニッツの思想を彫琢した師・先達・ライヴァル・共感者との書簡を精選。バロックの哲人の思想形成プロセスや、サロンの貴婦人たちと共にした喜怒哀楽が、300年の時空を超えて今鮮やかに甦る。
目次
第1部 学者の共和国(ヤコプ・トマジウスとの往復書簡(1663‐1668)
ホッブズ宛書簡(1670・1674)
スピノザとの往復書簡とスピノザ注解(1671‐1678)
初期アルノー宛書簡(1671)
マルブランシュとの往復書簡(1676‐1712)
ベールとの往復書簡(1687‐1702))
第2部 サロン文化圏(ハノーファー選帝侯妃ゾフィーとの交流(1696‐1705)
ゾフィー・シャルロッテ宛書簡(1702‐1704)
マサム夫人との往復書簡(1704‐1705))
著者等紹介
酒井潔[サカイキヨシ]
1950年生。学習院大学教授。哲学専攻
佐々木能章[ササキヨシアキ]
1951年生。東京女子大学教授。哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hryk
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第1部はホッブズ、スピノザ、マールブランシュといった同時代の哲学者たちとの往復書簡、第2部はハノーファー選帝侯妃ゾフィーといった女性たちとの往復書簡を収録。特に第1部は(トマジウスを除き)全訳であり、資料的価値も高い。第2部収録の書簡は学者相手ではないため平易に書かれており、初学者はこれらの書簡で言及されている論考(多くは第1期著作集に収録されている)を読むことでライプニッツ哲学に入門できる。解説ではアカデミー版全集の編集状況についても言及があり、ライプニッツ研究の現在を知ることができる。2016/09/29