内容説明
「グスコーブドリの伝記」「土神ときつね」…といった一般に読まれることの少ない作品を解読し、これまでの求道的な宮沢賢治ではなく、科学的哲学的な知見に基づく手法によって非現実の世界を夢想する異質な作家像を構築する。
目次
第1章 「奥」の世界―「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」(ザシキワラシについて;「奥」の世界としてのばけもの世界;「ばけもの事」とは何か)
第2章 「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」から「グスコーブドリの伝記」へ―『イーハトーヴ』のユートピア思想(ドリームランドとしてのイーハトーヴ;ばけもの世界からイーハトーヴへ;「グスコーブドリの伝記」におけるユートピア思想)
第3章 「ためらい」の面白さ―「チュウリップの幻術」(「心象スケッチ」の「童話」;「幻想文学」としての「童話」;「幻想文学」としての「チュウリップの幻術」;「チュウリップの幻術」の「幻想的解釈」と「相対性」)
第4章 伝説の神々のおもかげ―「土神ときつね」(赤神と黒神の伝説;「土神のきつね」の伝説との比較;赤神と黒神の伝説と類話)
第5章 「すっきりしない」物語―「注文の多い料理店」(民話を通してみた「注文の多い料理店」;非現実と現実のありかた;「幻想文学」としての「注文の多い料理店」)
著者等紹介
佐々木ボグナ[ササキボグナ]
佐々木(ヤンコフスカ)ボグナ。ポーランド出身。2012年、京都大学大学院人間・環境学研究科にて博士号(人間・環境学)取得。現在、京都大学大学院文学研究科・文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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