内容説明
鮮烈な植物染で贈る魅惑の配色、四季の花色。王朝の色彩240種の襲の色。
目次
春の色(梅の色;桜の色;柳の色;牡丹の色;藤の色)
夏の色(菖蒲と杜若の色;夕顔の色)
秋の色(撫子の色;菊の色;朽葉の色)
冬の色・通年の色(松の色;鈍色;蘇芳色;二藍色;葡萄色)
著者等紹介
吉岡幸雄[ヨシオカサチオ]
昭和21年、京都市に生まれる。生家は江戸時代から続く染屋。昭和46年、早稲田大学卒業後、美術図書出版「紫紅社」を設立。『染織の美』(全三十巻・京都書院刊)、『日本の意匠』(全十六巻・京都書院刊)の編集長を務めるとともに、美術展覧会「日本の色」、「桜」(東京・銀座松屋)などを企画、監修する。広告のアートディレクターも務め、コマーシャルフィルム、電通カレンダーの制作などに携わる。昭和63年、生家「染司よしおか」五代目当主を継ぐ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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双海(ふたみ)
16
王朝の美・襲の色目 (かさねのいろめ) 240色を染め和紙で完全再現。「かさね色」とは王朝の女人たちが襟元や袖口、裾に衣をずらしてあらわした配色の妙趣。そこには季節ごとに咲く花や樹や風景が映しだされている。衣裳だけでなく、文を綴る和紙や調度品にも生かされた。2024/03/09
chatnoir
14
すごく一般的な古典や平安朝のラノベしか読まないものの、衣装の色合いは沢山出てくるので、こんな感じかな?位で済ませていたものが、文学的知識も染色の知識もある方が、天然染料で染めた〝かさね”を見られて嬉しかった。ただ、染めた紙を机に置いた状態なので、光に空ける色合いを味わうことができないのは残念だった。数か所、絹を染めたグラデーションの写真も美しかった。〝青”の解釈は難しいね。暗色って意味だったみたいだし。王朝時代の濃い薄いとだけ書いてあれば紫の事。二藍は藍と紅を混ぜた紫(色の比率は様々)の事。2018/01/31
ひねもすのたり
8
先日読んだあさのあつこさんの『花や咲く咲く』に出てきた、かさねの色目が気になって手にしてみました。日本が独自の文化を構築した平安中期、貴族たちは現在の着物の原形となる直線裁ちの衣装を身に着けるようになります。俗に言う十二単(ひとえ)です。 何枚もの衣を重ね着する平安人が腐心したのは、その色あわせでした。 色の組み合わせは季節を表現する手段でもありました。 白と薄紅で薄花桜の襲(かさね)、青と濃萌黄で萩の襲。本書では240の襲を解説しています。 古の時代より引き継がれた色の文化に興味のある方はぜひ!! 2015/02/02
くまこ
7
ため息をつくしかない美しさ。豊富な写真資料と古典解説の活字が、頭の中で眩しく弾けて、日本人に生まれたことを心から感謝した。また、『世界で一番美しい元素図鑑』と似たような感動を覚え、色の成分分析に興味を持った。2012/11/21
秋はeuglena
3
美しい色に囲まれて幸せな気持ちになれる本です。ずーっと「読んでいる本」に登録したままにしておこうかと思っていたけれど、きりがないので「読んだ本」にします。でも、ずーっと読んでる本です。2020/05/22