内容説明
日本人の精神を養ってきた名著の数々をわかりやすい現代語訳で読むシリーズ。世界的ベストセラー『武士道』が158分で読める。
目次
武士道とは、生きるための道である
武士道の源流
「義」あるいは「正義」
勇、すなわち勇敢で我慢強い精神
仁、すなわち哀れみの感情
礼
誠
名誉
忠義
サムライの教育と訓練
自制(克己、セルフコントロール)
「切腹」と「仇討ち」の制度
刀、サムライの魂
女性の教育と地位
武士道の影響
武士道はまだ生きていけるか?
武士道の未来
著者等紹介
新渡戸稲造[ニトベイナゾウ]
1862‐1933年。教育者・農政学者。文久2年岩手県生まれ。札幌農学校卒業。アメリカ・ドイツ留学ののち、一高校長・東大教授・東京女子大初代学長などを歴任。国際連盟事務次長、また太平洋問題調査会理事長として国際理解と世界平和のために尽くした。カナダで講演中客死
夏川賀央[ナツカワガオ]
昭和43年、東京都に生まれる。早稲田大学第一文学部卒。大手出版社など数社を経て独立。会社経営のかたわら、ビジネス書を中心に幅広い分野で執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ももすけ
27
海外の人と話すことも多く、よく読まれている本なので、勉強のために読んだ。今の日本に武士道精神は生きているのか?そういう目で読んでみたが、明確にこれというものは失われつつあるかもしれないが、ふとした私たちの行動の中に無意識に働く、そういうものの中に、細々と生き残っているようにも思った。「義理」についての考え方が面白かったな。2024/03/23
キタガワ
5
さらりと読めた。武士が数学をあえて学ばなかった、というのは意外だった。また、ストイシズムが浸透しており、贅沢をせず、質素に暮らし、富より名誉を優先させるという考えが印象に残った。感情を表に出さないなど、古き日本男児のあるべき姿を見て取れる。上杉謙信の「我の公と争うところは、弓箭にありて米塩にあらず」という「敵に塩を送る」のルーツが出てきて、印象に残った。現代日本の思想の源流がここにある。2012/12/05
suu
3
「人を相手にせず、天を相手にせよ。」「なかんずく金銀の欲を思うべからず、富めるは智に害あり」…。武士たちはお金に頓着せず、商に全く無知だったからこそ横領とか政治関係の生臭い問題がかつては無かったとあって、なんだか妙に納得しちゃったな。 名言が多くあって、思わずメモしながら読んだ。 男も女も寡黙で守るものをしっかり守る、かっこいいイメージ。 2020/08/31
ミッキーバックス
3
この本はとても理解しやすい文書で書かれているので普段、あまり古典を読まない方にもお勧めです。日本人の心の奥にきっとあるはずの武士道について、今一度深く考えることのできる本です。2013/08/18
KING-N
2
現代日本人の心底に今でも流れる続ける熱き血、それが武士道。その武士道について1900年初頭に外国人向けに書いた本。近年はビジネス書としても重用されているようだが、歴史書として読んだ方が楽しめる一冊だ。日本人でなくても、人間として備えたい忠義や利他の心、こういった本を読んで、己を戒め、成長していきたいものだ。2017/12/03