内容説明
文献テキストばかりで文化を論じるには限界がある。声や仕草、姿勢や背景といった文化情報を活用する能力「文化情報リテラシー」を身につければ、どのような文化研究が新たに可能になるのか。また、どのような問題が新たに見えてくるのか。文化人類学・言語学・コミュニケーション科学・美学・自然科学の研究者がそれぞれの立場で「文化情報リテラシー」を語り、あるいは実践してみせた学際的な1冊。初学者を想定してできるだけ平易に書かれている。
目次
文化のカオスに挑む―文化研究のマルチ・オブジェクト化と文化情報リテラシー
第1部 マルチメディアとフィールドワーク(フィールドワークの技法から「文化情報リテラシー」へ;文化研究における映像の活用法―映像人類学の近年の展開について;淡路人形浄瑠璃の伝承の場―淡路三原高等学校郷土部の活動を中心に;文化研究への文化情報リテラシーの駆使の試み―淡路人形浄瑠璃における「伝承」を対象に)
第2部 マルチメディアとコミュニケーション研究(インタラクションを捉えるということ;マルチモーダルな会話データの収集と処理;音声コミュニケーションに関する研究交流のために;人物像に応じた個人内音声バリエーション)
第3部 文化情報を読み解くということ(伝統的な慣習を読み解く―雅楽における様式化された楽器間の「会話」のメカニズム;舞台にあがった囃し田―「民俗」から演じられる「芸能」へ;「赤城大明神事」考―継子いじめ譚の検討を通して;
著者等紹介
岡田浩樹[オカダヒロキ]
神戸大学国際文化学研究科教授。専門は文化人類学、東アジア研究
定延利之[サダノブトシユキ]
神戸大学大学院国際文化学研究科教授。専門は言語・コミュニケーション論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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