連邦準備制度と金融危機―バーナンキFRB理事会議長による大学生向け講義録

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  • サイズ B6判/ページ数 260,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784903532851
  • NDC分類 338.253
  • Cコード C0033

内容説明

この講義は、ジョージ・ワシントン大学ビジネススクールの前学部長であり、また、連邦準備の元理事でもあるスーザン・フィリップ氏が提案し、バーナンキ議長本人をはじめとする多くの関係者の協力によって実現した。連邦準備のような強力な組織は聴衆を圧倒してしまうのではないかと思われるが、バーナンキ議長がかつて教壇に立っていたこともあり、非常に刺激的な親しみのある四回の講義に結実した。現職のFRBの議長がFRBそのものについて講義をするというのは、異例である。しかしそれ故に、現実との関わりが深く、説得力のある講義になっている。各講義の終わりには生徒との質疑応答が収録されており、講義の雰囲気を感じ取ることができる。生徒の質問に対してバーナンキ議長は丁寧に回答しており、講義に対する議長の熱意が伝わってくる。

目次

第一回講義 連邦準備制度の起源と任務(中央銀行の任務と政策手段;中央銀行の起源;金融パニックとは;金融パニックと中央銀行の最後の貸し手機能;金本位制:制度と問題点;連邦準備制度の設立;大恐慌;大恐慌時の連邦準備の金融政策;ルーズベルトの政策;死次応答)
第二回講義 第二次大戦後の連邦準備(第二次大戦の終結と連邦準備の独立性の獲得;マーチン議長:風に向かって立つ金融政策;バーンズ議長:インフレ期待の定着;ヴォルガー議長:インフレ期待を払拭した強力な引締め政策;グリーンスパン議長:グレート・モデレーション;住宅バブルの発生:借り手側の問題;住宅バブルの貸して側の問題;連邦準備の金融政策が住宅バブルの原因の一つだろうか;危機の経済的影響;質疑応答)
第三回講義 金融危機に対する連邦準備の対応(公的部門の脆弱性;新種のモーゲージとその証券化の発達;二〇〇八年、及び二〇〇九年の金融パニック;金融危機に対する政策対応;ケース・スタディ:マネー・マーケット・ファンド;ケース・スタディ:ベア・スターンズとAIG;危機の経済的結末;質疑応答)
第四回講義 金融危機の余波(連邦準備と財務省および海外当局との協力;伝統的金融政策;非伝統的な金融政策;金融政策に果たすコミュニケーションの役割;緩慢な景気回復プロセス;アメリカの潜在的な成長力は強い;金融規制改革;結び:危機から得た教訓;質疑応答)

著者等紹介

バーナンキ,ベン[バーナンキ,ベン][Bernanke,Ben]
1953年12月13日生まれ。ハーバード大学で学士号を、MITで博士号を取得した。かつてプリンストン大学、スタンフォード大学、ニューヨーク大学、またマサチューセッツ工科大学の教授会の一員であり、グッゲンハイム助成金とスローン助成金を得ている。計量経済学会とアメリカ芸術科学アカデミーの特別会員でもある。2006年に議長に就任し、現在は2期目を務めている。任命前にも理事会の理事、そして客員教授として、ニューヨーク連邦準備銀行の学術諮問会議メンバーといった役割で連邦準備制度と関連をもっていた

小谷野俊夫[コヤノトシオ]
学習院大学非常勤講師。静岡県立大学名誉教授、元早稲田大学商学部非常勤講師、元明治大学商学部非常勤講師。1969年早稲田大学政治経済学部卒。1975年ペンシルベニア大学ウォートンスクール修了(MBA)。第一勧銀調査部ニューヨーク駐在シニア・エコノミスト、DKB総研経済調査部長を経て1997年静岡県立大学教授(2012年停年退職)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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スプライト

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分かりやすく、バー何基の言葉で語られているのは良い。しかし、訳者批判にもあるように、低金利が住宅バブルを発生させたのではないという主張はおかしい。2012/12/24

くまくす

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図書館にて。FRBのトップであったバーナンキが現役時に大学で講義をした際の議事録である。大学生向けに話していることもあり、また学生からの質問が高く感じられた。巻末の文献も充実しており、大学生向けと言える。FRBがどのように発足し、どのような狙いがあるかについて繰り返し述べられ、ケーススタディとして20sの恐慌、グリーンスパンの戦略、リーマンショックが取り上げられる。大学生時代に読みたいと感じた。一方で誤字が散見された。2022/02/25

強粘結炭

0
2012年にバーナンキが行った連続講義を収録。個人的には,(1)バーナンキが過剰なレバレッジや行き過ぎたリスクオンに対して規制や監督面でコントロールすべきという考えをもっているところと,(2)『大恐慌論』を書いたバーナンキらしく中央銀行のLLR機能やcredit easingを強調していたところが興味深かったです。2018/02/20

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