鯨取りの社会史―シーボルトや江戸の学者たちが見た日本捕鯨

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  • サイズ A5判/ページ数 256p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784905327547
  • NDC分類 664.9
  • Cコード C0021

出版社内容情報

鯨絵巻から見えてくる江戸の諸相
「鯨一頭七浦 潤す」といわれ、西海・紀州地方で盛んだった捕鯨の様子を今に鮮やかに伝える鯨絵巻は、捕鯨業者のみならず、江戸の学術を牽引する儒学者、国学者、蘭学者、絵師・彫師ら工匠たちの知恵と探究心の結晶であった。
捕鯨が基幹産業として経済を潤す一方、ロシアや欧米の船が日本近海に現れ緊張が高まりつつある中、鯨絵巻に託された幕府や藩の意図とは──。

■もくじ(抜粋)
 まえがき……森 弘子
第一章 シーボルトと日本の捕鯨業
 一 シーボルトが出会った鯨/二 シーボルトへの捕鯨情報の提供者/三 シーボルトと鯨種/四 欧米の捕鯨
第二章 江戸時代の絵巻に見る西海地方の捕鯨業
 一 日本人と捕鯨の歴史/二 『小児の弄鯨一件の巻』に見る西海捕鯨/三 『鯨絵巻』に見る鯨の加工処理/四 鯨製品の利用/五 「羽指踊」
第三章 西海地方の捕鯨絵巻の特徴 紀州地方の捕鯨絵巻との比較から
 一 捕鯨業の伝播/二 紀州地方の捕鯨絵巻の成立/三 西海地方の捕鯨絵巻の成立
第四章 天保三年『勇魚取絵詞』版行の背景
 一 『勇魚取絵詞』と出版の費用/二 『勇魚取絵詞』の版行に関わった人々/三 平戸藩主と出版事業/四 『勇魚取絵詞』出版の企画/五 平戸藩と益冨組
第五章 大槻清準『鯨史稿』成立の政治的背景
 一 『鯨史稿』の原本/二 大槻清準とその経歴/三 『鯨史稿』の成立/四 蝦夷地開発と『鯨史稿』
第六章 大槻清準『鯨史稿』と大槻玄沢『鯨漁叢話』の関係性
 一 大槻玄沢と蘭学/二 『蘭?摘芳鯨篇 全』と『魚王譯史』/三 大槻玄沢と鯨/四 『鯨史稿』「巻之三」の典拠
第七章 『鯨史稿』の「巻之三」と『解体新書』
 一 長崎滞在と『鯨史稿』/二 『鯨史稿』に使用された文献/三 江戸時代の医学知識と『解体新書』の成立/四 『鯨史稿』の「巻之三」と『解体新書』の共通性
 あとがき……宮崎克則



森 弘子[ モリヒロコ]
森 弘子:1943年、福岡県浮羽郡(現久留米市)生まれ。2000年、公務員退職。福岡市在住。
【主著・論文】「西海捕鯨絵巻の特徴─紀州との比較から」(『立教大学日本学研究年報?7』2008年)、『礒野五兵衛覚書─近世博多年代記』(秀村選三・近世博多年代記研究会編、2013年)、「鯨組と地域産業の軋轢─平戸藩生月島の御崎大納屋から大島(的山大島)への書状」(共著『西南学院大学博物館研究紀要』2号、2014年)、「唐津藩小川島の捕鯨史料(1)【鯨組方一件】」(共著『西南学院大学国際文化論集』28巻2号、2014年)ほか

宮崎克則[ミヤザキカツノリ]
宮崎克則:1959年、佐賀県唐津生まれ。九州大学九州文化史研究所助手・九州大学総合研究博物館助教授を経て、現在、西南学院大学国際文化学部教授・西南学院大学博物館館長、文学博士。福岡市在住。
【主著】『逃げる百姓、追う大名』(中公新書、2002年)、『古地図の中の福岡・博多』(編著、海鳥社、2005年)、『ケンペルやシーボルトたちが見た九州、そしてニッポン』(編著、海鳥社、2009年)、『九州の一揆・打ちこわし』(海鳥社、2009年)、『シーボルト年表』(共著、八坂書房、2014年)、『シーボルト蒐集和書目録』(共編、八木書店、2015年)ほか

内容説明

西海地方で盛んだった捕鯨の様子を今に鮮やかに伝える鯨絵巻は、捕鯨業者のみならず、江戸の学術を牽引する儒学者、国学者、蘭学者、絵師・彫師ら工匠たちの知恵と探究心の結晶であった。捕鯨が基幹産業として経済を潤す一方、ロシアや欧米の船が日本近海に現れ緊張が高まりつつある中、鯨絵巻に託された幕府や藩の意図とは―。

目次

第1章 シーボルトと日本の捕鯨業
第2章 江戸時代の絵巻に見る西海地方の捕鯨業
第3章 西海地方の捕鯨絵巻の特徴―紀州地方の捕鯨絵巻との比較から
第4章 天保三年『勇魚取絵詞』版行の背景
第5章 大槻清準『鯨史稿』成立の政治的背景
第6章 大槻清準『鯨史稿』と大槻玄沢『鯨漁叢話』の関係性
第7章 『鯨史稿』の「巻之三」と『解体新書』

著者等紹介

森弘子[モリヒロコ]
1943年、福岡県浮羽郡(現久留米市)生まれ。2000年、公務員退職

宮崎克則[ミヤザキカツノリ]
1959年、佐賀県唐津生まれ。九州大学九州文化史研究所助手・九州大学総合研究博物館助教授を経て、西南学院大学国際文化学部教授・西南学院大学博物館館長、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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to boy

22
江戸時代の鯨漁を描いた絵を中心に当時の鯨漁の様子や絵が描かれた背景などを考察。学術書なので細かいところは読み飛ばしました。当時の人は海で泳ぐ鯨は魚の仲間と認識しつつも胎生であり母乳をだし瞼があってまばたきするなど不思議に思っていたようです。西洋では油を取るだけだったので解体して身体構造を見ることがなかったが、江戸時代から鯨の身体構造の絵が描かれ、どの部位がどのように活用できるか知られていた事に驚きました。肝臓だけはまずくて食べられなかったとは知らなかった。2022/10/26

takao

2
ふむ2023/03/26

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