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心・脳・科学 (SELECTION21) 単行本 – 1993/4/22

5つ星のうち3.3 5個の評価

コンピュータと脳は同じか――曖昧な人工知能論を越えて,未来の人間科学として「心の哲学」を切り拓こうとする問題の書.サイエンスと社会科学の最先端の核心的議論を極めて平明に解説する.
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (1993/4/22)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1993/4/22
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 168ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4000040677
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4000040679
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち3.3 5個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中3.3つ
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2008年1月29日に日本でレビュー済み
    「心の哲学」の第一人者であるジョン・R・サールが行った、6回の連続講演をまとめたもの。各回のテーマは、心身問題、「コンピュータは考えられるか」、認知科学、行為の構造、社会科学の展望、意志の自由。第2章では、有名な「中国語の部屋」の議論も登場する。

    一般聴衆向けの講演をベースにしているため、説明は丁寧で、分かりやすい。他方、文章の構成はよく整理されていて、講演ベースの文章にありがちな乱雑さは見られない。著者による、一般向けの入門書としては、他に「マインド−心の哲学」(朝日出版社)があるが、基本的な論点については本書の方が分かりやすいと思う。本書を読んだ後、「マインド」を読めば、理解が深まるのではないか。

    ただ、誠に残念なことに本書は現在絶版である。版元の岩波書店は是非本書を現代文庫あたりで再版してほしい。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2017年9月14日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本(ソフトカバー)Amazonで購入
    入門書として買ったが、やはり難しい!でもサールにはとても興味があるから粘り強く読み返してみようと思う。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年5月31日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本(ソフトカバー)
    人工知能研究や認知科学に対する、哲学的な批判を展開する書である。
    読み進めるにつれて、哲学の凄みを感じる。
    分析哲学の伝統を引き継いでいる。
    また、プラグマティズムのような柔軟さも認められる。

    コンピュータと脳とは、明らかに異なる。
    前者は記号を形式的に処理するのに対して、後者は実質的に処理するのである。
    コンピュータにはできないことだが、人間は記号に意味を見出しているのである。
    外見的なパフォーマンスが似ているからと言って、比喩的にでも、両者を同一視してはならない。

    かつて、筆者は「中国語の部屋」という思考実験について述べた。
    それは卓越的であり、よく知られている。
    本書では、次のような時計の比喩に注目したい。

    時を刻むことができる機械式の時計をみて、その内部構造を知りたいと思う。
    そこで、試行錯誤の後に、砂時計を作り出した。
    両者は、同じように時を刻む。
    こうして、機械式の時計は砂時計と同じような構造をもち、機能していると考えるようになる。

    この比喩的な話と現代の人工知能研究等が述べていることは、同じようである。
    コンピュータが高度化し、人間の知能と同じようなパフォーマンスを見せる。
    そのため、誤っているのだが、脳をコンピュータのように、あるいはその逆のように考える。

    苦笑せざるを得ないが、コンピュータは人間の知能を超え、人間を支配するという、SFのような話もある。
    それには、「支配」の意味にもよるが、大いに疑問を感じる。
    なぜなら、機械式の時計と砂時計とが異なるように、コンピュータと人間とは異なるからである。

    コンピュータが記号を処理するように、脳の中だけで知覚や思考がなされるのではない。
    脳が身体や環境へと拡張するように、それらが1つになって動く。
    脳と身体、環境とが一体的なシステムとして動き、創発されるのが、心である。
    そのような心が、知覚や思考を可能にするのである。

    これまで述べてきたような心を基礎として、科学、行為、自由が論じられている。
    そこに、心の哲学の体系をみることができる。
    その体系において、物理的な理論と、それとはレベルを異にする心の理論とが同時に成立する。
    いずれかが真であるのでもなく、一方がもう一方に従わなければならないのでもない。

    大きな体系の中で、物質の世界と心の、両者の理論や理解を正当化しようとする。
    そうすれば、物理的な法則とわたしたちの自由意志も、対立や矛盾、食い違いなどなく、同時に認めることができる。
    こうして、わたしたちの日常生活、科学者の研究活動のいずれにおいても、不都合や障害はなくなると考えられる。
    ここに、プラグマティズムを認めることができるのではないか。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2005年10月5日に日本でレビュー済み
     「中国語の部屋」の議論で、心・意識関連の本には必ずといっていいほど登場するジョン・サール氏の著作である。意識関係の本や哲学に興味のある方ならば、サールという名前をご存知の方は多いと思われる。しかしながら、そのサール氏が書いた著作そのものを読んでみたという方は非常に少ないのではないだろうか。
     本書は「中国語の部屋」の議論(理解というものがコンピュータからは生まれでないという議論)についての著作ではないのだが、その提案提出後、多くの科学者、哲学者からの批判、意見などを受け、よりたたき上げられた理論武装で講演したものをほぼそのまま書き下ろしたものである。そのため、議論は深遠な内容であるにもかかわらず、非常に読みやすくて理解もしやすい。まさにサールと感銘するスマートな語り口で納得させられる(それを正しいか否かを判定するのは読者の側であるけれども)。
     本書は2005年に発刊されたが、内容は1993年の「SELECTION 21」の一冊として岩波書店より刊行されたものと同じである。
     手ごろなサイズと分量で、説得力のある「意識の哲学」に触れたい方にお勧め。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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