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帝国日本の生活空間 単行本 – 2015/10/29

4.8 5つ星のうち4.8 4個の評価

この商品には新版があります:

帝国日本の生活空間
¥5,060
(4)
在庫あり。
衣食住や家具、都市空間、身体の振る舞いに目を向け、日本が植民地帝国だった時代の日常生活と文化に迫る。洋館と上流階級、室内装飾の見せ方、グルタミン酸ナトリウムの普及、籐家具の伝播、「文化生活」言説など、人、もの、知識の流通回路を通じて、帝国が引き起こしていた不平等な出会いと差異の構造を探る意欲的論考。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2015/10/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2015/10/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4000240498
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4000240499
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 2.6 x 21 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 4個の評価

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植民地帝国の日常生活、その文化的構造を探求する意欲的な一冊
5 星
植民地帝国の日常生活、その文化的構造を探求する意欲的な一冊
第二次世界大戦前の世界システムを構成する大日本帝国。その植民地帝国のなかで宗主国、日本はどのように視られていたのか。本書は、衣食住と人の振る舞い、都市生活、日常生活に染み渡るイデオロギーといった側面から、帝国主義の文化的構造を探求する。・帝国の近代化とグローバルな近代化との明白な違い(p16,249,268)。インドや朝鮮の近代化が、決して彼らのために行われたものでないことがわかってくる。・グルタミン酸ナトリウム「味の素」(第2章)とハワイ・沖縄の豚(終章)が、大日本帝国とアメリカ帝国の邂逅を経て太平洋地域全体に拡まる軌跡は、本書のテーマの理解を深めてくれる。・旧来の文明ヒエラルキーから新しい物質帝国主義への変遷。大日本帝国崩壊後に、日本の草履=ハワイ語のクレオール英語surippahを起源とする「ゴム草履」がハワイから西海岸、そして全世界へ普及する過程では、戦後の米兵の果たした役割が考察される(p266)。第4章第2節の「文化生活と帝国秩序」の記述は興味深い。・帝国の意味。内地の日本人にとってのそれは、世界文明の本性的な拡大の一部であり(p154)、文明化を確認する手段の一つでもあった。・超越的な世界文化から、天皇制ファシズム国家に変わる新たな国民文化として、文化の意味は戦後に大きく変わる(p183)。東京を東アジアの新しい政治・軍事・経済の中心である「帝都」と位置づける試みとして、内外の臣民の修学旅行、植民地住民代表の観光旅行が取り上げられる(第6章)。・欧米人の「外客」に対し、植民地原住民の来日は、それまで啓蒙・教化を意味する「観光」と位置づけられていた。観光という熟語が現在の意味として定着するのは1902年より後、1909年頃だそうな(p234)。新自由主義による途上国の搾取、貧困地域へ押しつけられる環境汚染、移民問題で表面化した民族ヒエラルキーなど、新しく残酷な事実の積み重ねられる現在、世界構造システムを考察する上で、帝国主義時代の非対称な出会いがもたらした諸問題、その断片を垣間見たことで、「強者の論理」の連綿たるつながりを再確認させてくれた。
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上位レビュー、対象国: 日本

2017年1月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次世界大戦前の世界システムを構成する大日本帝国。その植民地帝国のなかで宗主国、日本はどのように視られていたのか。
本書は、衣食住と人の振る舞い、都市生活、日常生活に染み渡るイデオロギーといった側面から、帝国主義の文化的構造を探求する。
・帝国の近代化とグローバルな近代化との明白な違い(p16,249,268)。インドや朝鮮の近代化が、決して彼らのために行われたものでないことがわかってくる。
・グルタミン酸ナトリウム「味の素」(第2章)とハワイ・沖縄の豚(終章)が、大日本帝国とアメリカ帝国の邂逅を経て太平洋地域全体に拡まる軌跡は、本書のテーマの理解を深めてくれる。
・旧来の文明ヒエラルキーから新しい物質帝国主義への変遷。大日本帝国崩壊後に、日本の草履=ハワイ語のクレオール英語surippahを起源とする「ゴム草履」がハワイから西海岸、そして全世界へ普及する過程では、戦後の米兵の果たした役割が考察される(p266)。

第4章第2節の「文化生活と帝国秩序」の記述は興味深い。
・帝国の意味。内地の日本人にとってのそれは、世界文明の本性的な拡大の一部であり(p154)、文明化を確認する手段の一つでもあった。
・超越的な世界文化から、天皇制ファシズム国家に変わる新たな国民文化として、文化の意味は戦後に大きく変わる(p183)。

東京を東アジアの新しい政治・軍事・経済の中心である「帝都」と位置づける試みとして、内外の臣民の修学旅行、植民地住民代表の観光旅行が取り上げられる(第6章)。
・欧米人の「外客」に対し、植民地原住民の来日は、それまで啓蒙・教化を意味する「観光」と位置づけられていた。観光という熟語が現在の意味として定着するのは1902年より後、1909年頃だそうな(p234)。

新自由主義による途上国の搾取、貧困地域へ押しつけられる環境汚染、移民問題で表面化した民族ヒエラルキーなど、新しく残酷な事実の積み重ねられる現在、世界構造システムを考察する上で、帝国主義時代の非対称な出会いがもたらした諸問題、その断片を垣間見たことで、「強者の論理」の連綿たるつながりを再確認させてくれた。
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5つ星のうち5.0 植民地帝国の日常生活、その文化的構造を探求する意欲的な一冊
2017年1月4日に日本でレビュー済み
第二次世界大戦前の世界システムを構成する大日本帝国。その植民地帝国のなかで宗主国、日本はどのように視られていたのか。
本書は、衣食住と人の振る舞い、都市生活、日常生活に染み渡るイデオロギーといった側面から、帝国主義の文化的構造を探求する。
・帝国の近代化とグローバルな近代化との明白な違い(p16,249,268)。インドや朝鮮の近代化が、決して彼らのために行われたものでないことがわかってくる。
・グルタミン酸ナトリウム「味の素」(第2章)とハワイ・沖縄の豚(終章)が、大日本帝国とアメリカ帝国の邂逅を経て太平洋地域全体に拡まる軌跡は、本書のテーマの理解を深めてくれる。
・旧来の文明ヒエラルキーから新しい物質帝国主義への変遷。大日本帝国崩壊後に、日本の草履=ハワイ語のクレオール英語surippahを起源とする「ゴム草履」がハワイから西海岸、そして全世界へ普及する過程では、戦後の米兵の果たした役割が考察される(p266)。

第4章第2節の「文化生活と帝国秩序」の記述は興味深い。
・帝国の意味。内地の日本人にとってのそれは、世界文明の本性的な拡大の一部であり(p154)、文明化を確認する手段の一つでもあった。
・超越的な世界文化から、天皇制ファシズム国家に変わる新たな国民文化として、文化の意味は戦後に大きく変わる(p183)。

東京を東アジアの新しい政治・軍事・経済の中心である「帝都」と位置づける試みとして、内外の臣民の修学旅行、植民地住民代表の観光旅行が取り上げられる(第6章)。
・欧米人の「外客」に対し、植民地原住民の来日は、それまで啓蒙・教化を意味する「観光」と位置づけられていた。観光という熟語が現在の意味として定着するのは1902年より後、1909年頃だそうな(p234)。

新自由主義による途上国の搾取、貧困地域へ押しつけられる環境汚染、移民問題で表面化した民族ヒエラルキーなど、新しく残酷な事実の積み重ねられる現在、世界構造システムを考察する上で、帝国主義時代の非対称な出会いがもたらした諸問題、その断片を垣間見たことで、「強者の論理」の連綿たるつながりを再確認させてくれた。
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レポート
2016年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
目次をめくっていて、気になり、一番初めに読んだのが、「籐椅子に座る熱帯帝国」という章だ。
まず著者は、「台湾と満州(関東州)に移った日本人が、椅子座の社会に植民地統治を布いた唯一の床座民族だった」と指摘し、「日本の床座の習慣という、近代の帝国主義勢力のなかで特異な習慣は、日本の支配を確立した西洋的な流儀に逆行する要素をはらんでいた」と記す。
「西洋の建築と家具は、西洋の制服、官職、制度とともに、ヨーロッパ人と相違ない文明化の担い手として世界に認められようとする日本人の努力を示した」ものだったが、台湾の漢民族は、すでに椅子座の生活をしていたので、床座の日本人が漢民族より高い文明性を持っていることを示すのは、なかなか困難だった、というのだ。
「植民地の至る所で日本人女性は内地と同様に着物を着ていたし、多くの男性も家の外では背広や制服を着ていたにしても、家に帰ったら和服に着替えた。建築についても、日本人の畳への愛着は入手困難な場所においてすら根強かった」というのだから、たしかに面倒なことだったろう。この章は、そんな日本人が、籐椅子という南方産の軽い家具で、椅子に座る生活を導入する話に続いていく。
以前から、1940年の「国民服」制定時に、「外国模倣の洋服を捨て東亜の盟主たるべき新日本服の制定」を掲げながら、結果は洋服由来の準軍服のようなものになったことに関心を持っていたので、非常に興味深く読むことができた。
ほかの章も、それぞれ刺激的な論考ばかりだ。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年1月26日に日本でレビュー済み
著者は1960年生れの日本近代史を専攻とするジョージタウン大学教授である。本書は、英語の原書からの翻訳ではなく、既刊論文を編集して一書にまとめたものである。本書のテーマに近い分野の研究者である訳者の天内大樹氏により、固有名詞の頻出する文章が違和感のない日本文として訳出されている。

フェルナン・ブローデルやジャレド・ダイアモンドなどごく少数の歴史家・文明史家による著作を除けば、多くの歴史の本は、政治家や軍人などの国家指導者と彼らが主導した政争や戦争を中心として描かれ、日常生活の実態は歴史分析の対象外である。本書は、ほとんどの歴史家が無視している都市空間や物質文化を、「大日本帝国」時代の日本について描き出したものである。分析は文献の他に写真や漫画などの画像情報を駆使して行われる。日本のほとんどの歴史家が省みない雑誌記事などごく日常的な資料も多く活用され、興味深い。婦人雑誌によるセレブ(皇族や華族)の豪華な住居紹介、「味の素」の国内や中国・米国への普及過程、米国による通商制限の意味と日米関係へのインパクト、庶民の「文化住宅」、籐椅子に象徴される植民地の日本人生活、見世物にされた山地台湾人(当時の差別用語で「生蕃」)の東京見物、などが「帝国」の象徴的文化・文明として取り上げられている。

トマ・ピケティ著『21世紀の資本』(みすず書房、2014年刊)によれば、「大日本帝国」時代の日本の経済格差は大きく、ヨーロッパ並みであった。特に1920年から40年にかけては、ヨーロッパ諸国よりも日本の方がはるかに経済格差が大きく、富裕層が限りなく富裕化し、貧困層が限りなく貧困化するメカニズムが帝国内にビルトインされていた。国内では本書が扱ったような華やかな大都市に対して窮乏化した農村があり、帝国全体では富を収奪する本国に対して収奪される植民地(台湾・朝鮮)との対比がある。このような社会経済環境の中で、窮乏した農村を救い出すのを大義名分にした国家主義運動が勃興し、一部はテロリズムへと暴走したのだった。複眼思考で本書の記述を見れば、本書はまさに農村や植民地を犠牲にして、薄っぺらな「繁栄」を謳歌していた「帝国」の実態を描き出しているということになる。本書を読むと、「脱亜入欧」(福沢諭吉)の考え方、言い替えると無条件の欧米文明信仰と、一方ではアジア諸国への蔑視・偏見・差別が、戦前から民衆の中に同居していたことが分かる。「永続敗戦レジーム」(白井聡)のルーツは、実に戦前に遡るのである。

著者は「あとがき」で、本書では触れていない「帝国の暗部」、たとえば慰安婦問題などは、非対称性と抑圧の植民地支配構造の延長で生まれたものであると指摘している。このような日常的暴力の解明のためにも、本書のような公的文書以外の領域からのアプローチの重要性を指摘している。なお著者は慰安婦問題に関して、「日本の歴史家を支持する声明」(2015年5月)を発表した数多くの日本研究者の一人である。日本の歴史家からも本書のような多様なメディアに現れた日本人の振舞いや意識を解明する研究を発表してもらいたいものである。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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