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聞き書 緒方貞子回顧録 単行本 – 2015/9/11
日本外交史研究者として出発しながら、国連にかかわる仕事を続け、民族紛争が激化した1990年代に国連難民高等弁務官をつとめた緒方貞子。その後、「人間の安全保障」を提起し、日本の開発援助を主導していく。生い立ちから現在までの歩みを、詳細な聞き取りによってたどる。日本を代表する国際派知識人の決定版回顧録。
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2015/9/11
- 寸法12.9 x 3 x 18.8 cm
- ISBN-104000610678
- ISBN-13978-4000610674
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商品の説明
著者について
野林 健(のばやし たけし)
1945年生まれ.一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学.東洋学園大学教授.一橋大学名誉教授.法学博士.国際政治経済学.著書に『保護貿易の政治力学――アメリカ鉄鋼業の事例研究』(勁草書房),『管理貿易の政治経済学――米国の鉄鋼輸入レジーム1959~1995』(有斐閣),『国際政治経済学・入門[第3版]』(共著,有斐閣),『国際政治経済を学ぶ――多極化と新しい国際秩序』(共編,ミネルヴァ書房)他.
納家政嗣(なや まさつぐ)
1946年生まれ.上智大学大学院外国語学研究科国際関係論専攻博士後期課程単位取得退学.上智大学教授.一橋大学名誉教授.国際政治・安全保障論.著書に『国際紛争と予防外交』(有斐閣),『大量破壊兵器不拡散の国際政治学』(共著,有信堂高文社),『国際政治経済学・入門[第3版]』(共著,有斐閣),『日本の大戦略――歴史的パワーシフトをどう乗り切るか』(共著,PHP研究所)他.
1945年生まれ.一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学.東洋学園大学教授.一橋大学名誉教授.法学博士.国際政治経済学.著書に『保護貿易の政治力学――アメリカ鉄鋼業の事例研究』(勁草書房),『管理貿易の政治経済学――米国の鉄鋼輸入レジーム1959~1995』(有斐閣),『国際政治経済学・入門[第3版]』(共著,有斐閣),『国際政治経済を学ぶ――多極化と新しい国際秩序』(共編,ミネルヴァ書房)他.
納家政嗣(なや まさつぐ)
1946年生まれ.上智大学大学院外国語学研究科国際関係論専攻博士後期課程単位取得退学.上智大学教授.一橋大学名誉教授.国際政治・安全保障論.著書に『国際紛争と予防外交』(有斐閣),『大量破壊兵器不拡散の国際政治学』(共著,有信堂高文社),『国際政治経済学・入門[第3版]』(共著,有斐閣),『日本の大戦略――歴史的パワーシフトをどう乗り切るか』(共著,PHP研究所)他.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2015/9/11)
- 発売日 : 2015/9/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 328ページ
- ISBN-10 : 4000610678
- ISBN-13 : 978-4000610674
- 寸法 : 12.9 x 3 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 240,784位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2024年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難民高等弁務官のとき、JICA理事長のとき、それぞれ難問に何度も直面するが、「正義」を貫くことでそれらを乗り越えていく強さに憧れを覚えました。
2024年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今の政治家との違いは何かを改めて考えた。
2023年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
緒方さんは、既存のやり方に拘らず、必要ならシステムを作りルールを作り、邪魔な物は排除する、しかし決して我を通して押し通すのではなく、相手を周りを納得させてから実行する。そして、自分がやったことは整理し後から来る人が参考に出来るようにしておく。今の日本の政治家にはいない偉人。
2022年11月11日に日本でレビュー済み
いいですね
Amazonで購入
メディアを読み込めませんでした。
2015年12月13日に日本でレビュー済み
「緒方貞子」、この名前を知らない人はいないと思うが、
もし知らないなら、知っておくことを勧めたい。
以前私も、上智大学教授だったことは知っていたが、なぜ、国連大使に?と驚いた
覚えがある。其処は良く知らなかった。
一方で、国連大使・国連難民高等弁務官の代表になってからは、目覚ましい活躍で、
こういう人が日本人の女性だという事に、誇らしささえ感じた。
だから彼女の出自や家族歴の事は興味深く読んだ。
伴侶の緒方氏も「緒方貞子」の夫、としてではなく、様々な仕事をされている方らしいが、
妻の背中をひと押しするところなども、さすがと言う感じがある。
この妻にしてこの夫あり!
家族歴の出だし、著名な犬養家より芳澤家に興味を覚える。
緒方氏が緒方竹虎の子息という事も興味深い。
その時々に差し出される選択肢(もちろん犬養家につながる人脈もあるが、
一流の人に相手にされるだけの物を緒方さんが持っていたのだろうが)を、
彼女がどう選んできたかも興味深い。子育てをしながら博士号を手にしても、
現場への興味を持ち続け、理論と実践を国際政治の中で体現してきた、
しかも紛争の現場へ飛んでいく行動力。
机上の空論ではない、政治の駆け引き、予算の裏付けなど、
物事を動かすプロジェクトリーダーとして、組織の改革も各所で
行ってきたと言う。
緒方さんは、めげない楽天家だと自分を評価しているが、緻密な理論構成と、
そこから導き出される想定事項、さらに不特定な要素までを考慮して、
即断してきたのだと言っている事も凄いと思う。
後半以降、随所に今の政治家への批判的な言葉も見えるが、回顧録とあるように、
現在を批判するために書いていない。
だが、きちんと読めば、プロジェクトの立ち上げから遂行、リーダーシップとは何かや、
トップとは、責任の取り方まで、学ぶことは多い。
また、聞き書きを人任せにせずに、目を通して手を入れたとある。
その完璧な仕事は「緒方貞子」の仕事をくっきり見せている。
国際化が言われる今、立派な日本人の、本当の国際人をここに知ることが出来る。
もし知らないなら、知っておくことを勧めたい。
以前私も、上智大学教授だったことは知っていたが、なぜ、国連大使に?と驚いた
覚えがある。其処は良く知らなかった。
一方で、国連大使・国連難民高等弁務官の代表になってからは、目覚ましい活躍で、
こういう人が日本人の女性だという事に、誇らしささえ感じた。
だから彼女の出自や家族歴の事は興味深く読んだ。
伴侶の緒方氏も「緒方貞子」の夫、としてではなく、様々な仕事をされている方らしいが、
妻の背中をひと押しするところなども、さすがと言う感じがある。
この妻にしてこの夫あり!
家族歴の出だし、著名な犬養家より芳澤家に興味を覚える。
緒方氏が緒方竹虎の子息という事も興味深い。
その時々に差し出される選択肢(もちろん犬養家につながる人脈もあるが、
一流の人に相手にされるだけの物を緒方さんが持っていたのだろうが)を、
彼女がどう選んできたかも興味深い。子育てをしながら博士号を手にしても、
現場への興味を持ち続け、理論と実践を国際政治の中で体現してきた、
しかも紛争の現場へ飛んでいく行動力。
机上の空論ではない、政治の駆け引き、予算の裏付けなど、
物事を動かすプロジェクトリーダーとして、組織の改革も各所で
行ってきたと言う。
緒方さんは、めげない楽天家だと自分を評価しているが、緻密な理論構成と、
そこから導き出される想定事項、さらに不特定な要素までを考慮して、
即断してきたのだと言っている事も凄いと思う。
後半以降、随所に今の政治家への批判的な言葉も見えるが、回顧録とあるように、
現在を批判するために書いていない。
だが、きちんと読めば、プロジェクトの立ち上げから遂行、リーダーシップとは何かや、
トップとは、責任の取り方まで、学ぶことは多い。
また、聞き書きを人任せにせずに、目を通して手を入れたとある。
その完璧な仕事は「緒方貞子」の仕事をくっきり見せている。
国際化が言われる今、立派な日本人の、本当の国際人をここに知ることが出来る。
2015年9月24日に日本でレビュー済み
緒方貞子が誰か?ということは、言うまでもない。
昭和のはじめに外交官の家庭に生まれ、戦後早い時期にアメリカに留学した緒方は、日本がなぜ戦争への道を歩んだかを研究するなか、国際政治学者としての人生を得る。その後、周囲に押されて国連に活躍の舞台を移し、国連難民高等弁務官として10年もの間、前人未到の活躍を行い、その後JICA理事長として日本の政府開発援助にも貢献した。
この本は、彼女のお弟子にあたる二人の研究者による、緒方のオーラルヒストリーである。
彼女の人生は、まさに日本にとっては昭和から平成の時代であり、国際社会にとっては大戦後から冷戦を経て現在に続く国際政治の歴史そのもの。特に緒方が国連難民高等弁務官に就任したのちは、冷戦後の紛争が絶えまなく続き、難民が無数にあふれた時代の中で、まさに神が緒方をこの地位に就けたとも言える活躍をする。難民支援の前例にこだわらない発想によって、クルド・バルカン・ルワンダ難民を救ったエピソードや世界の指導者を味方につけた活躍やときに軍事力をも頼って指導した活動ぶりは、すでに広く知られているものの、ここで改めて本人から語られている。
また、彼女の研究から見える事実、つまり日本がなぜ戦争への道を歩んだかについての分析から見える、昭和の青年将校が持った気持ち、つまり貧しい日本を満洲進出で救いたいというむしろ民主主義に近い面もある気持ちが、そのうちに軍部の暴走・国策として誤った方向に向かったため、日本・アジアにとっての悲劇へとつながることは、今日でも教訓となる内容である。終戦後に行われた日米共同研究・河口湖会議での成果など、一般に知られていないエピソードも興味深い。
楽しい話も多い。幼少期の思い出、ご主人との出会いや仲の良い交流、留学時代の話、またバルカンでの復興事業のような希望あふれる話や、ブッシュ大統領との面談のときに服を借りて会った話のようなユーモラスな話も。一方で、泥沼のようになるルワンダ難民をめぐる国際情勢や、緒方さんが力説した平和維持軍があれば防げたかもしれないスレブレニッツァの虐殺など、悲劇的な話も語られる。
日本と中国の関係について、日本もナショナリズムに過激になることや火遊びは禁物であり、むしろ民間も含めた日中の関係の幅の厚さや一緒にやっていけるという確信のほうが、中国への過剰な警戒より大切という意味の、緒方の発言は日本にとって重要な言葉である。
緒方は、戦前のナショナリズムについて、「ナショナリズムの発言のほうが威勢がいいし、人間の感情に強く訴えかける」として、そのような威勢のいいことの危険さをいまの日本の政治家の傾向にも見られると言っている。
いずれにしても、国際政治に興味がある方にとっては、地球を何周もする気分で読める、感動的な1冊である。
昭和のはじめに外交官の家庭に生まれ、戦後早い時期にアメリカに留学した緒方は、日本がなぜ戦争への道を歩んだかを研究するなか、国際政治学者としての人生を得る。その後、周囲に押されて国連に活躍の舞台を移し、国連難民高等弁務官として10年もの間、前人未到の活躍を行い、その後JICA理事長として日本の政府開発援助にも貢献した。
この本は、彼女のお弟子にあたる二人の研究者による、緒方のオーラルヒストリーである。
彼女の人生は、まさに日本にとっては昭和から平成の時代であり、国際社会にとっては大戦後から冷戦を経て現在に続く国際政治の歴史そのもの。特に緒方が国連難民高等弁務官に就任したのちは、冷戦後の紛争が絶えまなく続き、難民が無数にあふれた時代の中で、まさに神が緒方をこの地位に就けたとも言える活躍をする。難民支援の前例にこだわらない発想によって、クルド・バルカン・ルワンダ難民を救ったエピソードや世界の指導者を味方につけた活躍やときに軍事力をも頼って指導した活動ぶりは、すでに広く知られているものの、ここで改めて本人から語られている。
また、彼女の研究から見える事実、つまり日本がなぜ戦争への道を歩んだかについての分析から見える、昭和の青年将校が持った気持ち、つまり貧しい日本を満洲進出で救いたいというむしろ民主主義に近い面もある気持ちが、そのうちに軍部の暴走・国策として誤った方向に向かったため、日本・アジアにとっての悲劇へとつながることは、今日でも教訓となる内容である。終戦後に行われた日米共同研究・河口湖会議での成果など、一般に知られていないエピソードも興味深い。
楽しい話も多い。幼少期の思い出、ご主人との出会いや仲の良い交流、留学時代の話、またバルカンでの復興事業のような希望あふれる話や、ブッシュ大統領との面談のときに服を借りて会った話のようなユーモラスな話も。一方で、泥沼のようになるルワンダ難民をめぐる国際情勢や、緒方さんが力説した平和維持軍があれば防げたかもしれないスレブレニッツァの虐殺など、悲劇的な話も語られる。
日本と中国の関係について、日本もナショナリズムに過激になることや火遊びは禁物であり、むしろ民間も含めた日中の関係の幅の厚さや一緒にやっていけるという確信のほうが、中国への過剰な警戒より大切という意味の、緒方の発言は日本にとって重要な言葉である。
緒方は、戦前のナショナリズムについて、「ナショナリズムの発言のほうが威勢がいいし、人間の感情に強く訴えかける」として、そのような威勢のいいことの危険さをいまの日本の政治家の傾向にも見られると言っている。
いずれにしても、国際政治に興味がある方にとっては、地球を何周もする気分で読める、感動的な1冊である。
2015年9月29日に日本でレビュー済み
「難民受け入れは積極的平和主義の一部」という新聞インタビューが出た時(2015年9月24日)、ちょうど、この本を半分くらいまで読んでいた。安保法案強行採決やヨーロッパでの難民対応が注目されている中、そのインタビューが話題になったのは当然だと思うが、やはり緒方さんが何をいま語るのかを知りたい人は多いのだろう。そこでの直言には私も心を動かされた。これだけの視野、(国際)政治感覚はどう培われたのか、それを知るのに本書はまさに格好のものだ。
生い立ちから順に書かれているが、聞き手が専門家でありかつ「教え子」ということもあって、緒方さんの研究者時代の話は読みごたえがあるだけでなく、政治学は思ったより面白そうだな、とさえ感じた。その時代の記述、つまり緒方さんが「政策決定」研究を進められた蓄積が、のちの複雑極まりない紛争の現場で生きるということを知ることができたのは、本書のおかげである。
後半を読むなかでも、「実地」に飛び込み、状況に「柔軟」に対応するという、字で書くとふつうのことが、どれだけの準備に支えられているのかを、何度も考えさせられた。
冷静に、聞き手の問いに答えている緒方さんが、絶句される場面もあるのだが、「人の命」を判断基準の最初にされる方が、どれだけの思いで最前線にたっていたのかということも、痛切に感じた。
一つの章を割いている「人間の安全保障」をめぐるスタンスも興味深く、組織論・コミュニケーション術のような連想で読んでしまうことも多々あった。ここぞというところだけに付箋をつけたつもりだったが、かなり多くなった。もう一度読み直したら、また別の個所でヒントをもらえた気になって、いくつもマークをしてしまうだろう。
生い立ちから順に書かれているが、聞き手が専門家でありかつ「教え子」ということもあって、緒方さんの研究者時代の話は読みごたえがあるだけでなく、政治学は思ったより面白そうだな、とさえ感じた。その時代の記述、つまり緒方さんが「政策決定」研究を進められた蓄積が、のちの複雑極まりない紛争の現場で生きるということを知ることができたのは、本書のおかげである。
後半を読むなかでも、「実地」に飛び込み、状況に「柔軟」に対応するという、字で書くとふつうのことが、どれだけの準備に支えられているのかを、何度も考えさせられた。
冷静に、聞き手の問いに答えている緒方さんが、絶句される場面もあるのだが、「人の命」を判断基準の最初にされる方が、どれだけの思いで最前線にたっていたのかということも、痛切に感じた。
一つの章を割いている「人間の安全保障」をめぐるスタンスも興味深く、組織論・コミュニケーション術のような連想で読んでしまうことも多々あった。ここぞというところだけに付箋をつけたつもりだったが、かなり多くなった。もう一度読み直したら、また別の個所でヒントをもらえた気になって、いくつもマークをしてしまうだろう。
2020年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
素晴らしい感受性、視野の広さ、理論と実践、行動力、流動する交際情勢に素早く対応できる柔軟性が、
示されている。
彼女の言葉である、
「異なる意見をぶつけ合って、自分の意見を鍛え上げる」「グローバル化は社会のつながりや経済の発展を促す面がある一方で、さまざまな脅威を発生させています」「現場をよく見ること、そこで起きている変化を感じとって、政策化することです。感受性をみずみずしく保っていなくてはなりません」
covid-19感染に対する日本政府関係者が、深く刻むべき言葉でもある。
示されている。
彼女の言葉である、
「異なる意見をぶつけ合って、自分の意見を鍛え上げる」「グローバル化は社会のつながりや経済の発展を促す面がある一方で、さまざまな脅威を発生させています」「現場をよく見ること、そこで起きている変化を感じとって、政策化することです。感受性をみずみずしく保っていなくてはなりません」
covid-19感染に対する日本政府関係者が、深く刻むべき言葉でもある。