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M/Tと森のフシギの物語 (同時代ライブラリー 1) 単行本 – 1990/3/9

4.6 5つ星のうち4.6 45個の評価

四国の森の奥深く,時の権力から独立した一つのユートピアがつくり出される.物語は,いつしか20世紀末の作家が生きる世界,われわれの時代に照応して行く…….人間の再生と救済を求めて展開される感動の大作.
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (1990/3/9)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1990/3/9
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 414ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4002600017
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4002600017
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 45個の評価

著者について

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大江 健三郎
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1935年愛媛県生まれ。東京大学仏文科卒。大学在学中の58年、「飼育」で芥川賞受賞。以降、現在まで常に現代文学をリードし続け、『万延元年のフット ボール』(谷崎潤一郎賞)、『洪水はわが魂に及び』(野間文芸賞)、『「雨の木」を聴く女たち』(読売文学賞)、『新しい人よ眼ざめよ』(大佛次郎賞)な ど数多くの賞を受賞、94年にノーベル文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 「伝える言葉」プラス (ISBN-13: 978-4022616708 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
45グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年3月、日本文学界は最大の至宝を失った。
難解をもって鳴る大江健三郎作品の中でも、最も難解といわれた『同時代ゲーム』を、読みやすく書き直した作品がこの『M/Tと森のフシギの物語』。
50年後、100年後に日本の口語体文学の作者として夏目漱石とともに、双璧として語り継がれているはずの大江健三郎のルーツが、大江氏としては簡易な(笑)文章で読める必読書。
2009年10月3日に日本でレビュー済み
この書を読んで、大江が、たびたび引用していたブレイクの次の詩を思い出した。「人間は労役せねばならず、悲しまねばならず、そして習わねばならず、忘れねばならず、そしてかえってゆかねばならぬ そこからやってきた暗い谷へと、労役をまた新しく始めるために」

「壊す人」達が落ち延びた森で、生きていくために、大きな労役が必要であった。さもなくばどうなっていたか・・・・・本書では、前半に「森に飲み込まれる」という語りがしばしば登場した。

一つの独立した人間の社会を作っていくために、大きな労役が必要とされ、そして、大きな悲しみや、たまさかの喜びという人間的な営みがその社会で繰り広げられる。

この書を読んで、人間にとっての働くことの意味が漠然とわかったような気がする。労役こそが人間を人間たらしめている根本にあるものなのだと思う。そして、その中で作られていった「人間的な生活」というものを誰も侵すことはできないのだと思う。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説で語られるフシギな世界は、時の権力者から逃れてユートピアを築いた「壊す人」や「オシコメ」その他強烈なキャラクターを中心とする、ある村の歴史に神話が溶け込み、虚実が渾然一体となった重層的で豊かな物語です。それは四国の奥深い森の中で生きる人々の共同体の物語であると共に、著者である大江健三郎個人と家族の物語でもあります。ここで人々は、個人の物語が家族の物語に繋がり、家族の物語が共同体の物語=神話/歴史に繋がった世界で生きています。そしてそこに大江健三郎とその家族の癒しがあり救いもあります。
一方で、共同体の物語も家族の物語も失い、切り刻まれた情報とその場その場の情動に流されて生きるしかない現在を生きる私たちは、自分自身で物語を紡ぐしかありません。恐ろしいのは、京アニの放火事件も登戸の無差別殺人も、社会から切り離され勝手に個人で紡いできた個人の物語の成れの果てであることです。でも失われた物語を求めて「国家」というより大きな、顔の見えない物語に取り込まれない様に注意することは必要ですね、
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初め難しい本やなと思いながら読んでいましたが、麼ガタリ 

初め難しいと思いながら読んでいましたが、物語の骨子が見えかけてからは一気に読めました。物語に引き付けられて次々夢中になって読み進みました。
大江さんの作品なので軽くはありませんが、小説の苦手な僕でも読めたので皆さんにオススメします。今はm/tとよくにた、同時代ゲームを読み初めています。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年5月25日に日本でレビュー済み
という腰巻に惹かれて買って読んでみました。

わたしにとって初めての大江体験です。

いやー予想以上に面白かった!400pあったのですが、一気に読んでしまいました。

四国の山奥の、「僕」の生まれた村の神話と歴史が、「僕」の祖母の、そして母の語りで語られ、最後に大きく結ばれます。神話の時代から未来に向けて、大きく結びついていきます。

祖母や母親の語り口、恐らくその地方の方言なのでしょうが、リズムがまさにその話のためにあるようで、どんどん惹きこまれていきます。

村おこしの神話のような時代、停滞と復古、安泰と動乱、反乱と衰退…様々な伝承が語られていきます。そこで生きて、伝承を身に込めてきた人は、この本の最後に未来と繋がります。ただ生きているだけなのではないかと思っていた人は、そこに意味あるものを見出し…このように人の一生は終わるものかも知れないなぁと思う話でした。

非常にエネルギーに充ち溢れ、何者にも支配されない物語。そして、「魂が何を望んでいるのだろう」という風に、思いを向けてしまったお話でした。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年7月24日に日本でレビュー済み
文学YouTuberムーさんによる紹介で読んでみました。

ムーさんが大江を初めて読む人にとってはオススメと言っていたが、途中だれることなくスルスル読めました!

本の内容は祖母から語り継いだ、主人公の故郷の神話・歴史を書き連ねていくというものです。

読んでいくと、言葉にできないが自分を超えた大いなるいのちとつながったような気分にれます。

だが、小説の中であった魂の交流は死にゆく翁・白痴という、イレギュラーな清らかな魂でしか無理なのかという疑問は残りますが。

合理化のために、神話・故郷・他者を切り捨ててしまった現代の私たちでも、生きててもよいと感じられる温かい小説です!
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年10月5日に日本でレビュー済み
自分がこれまで読んできた小説と比べると、奇妙このうえない小説でした。
奇妙このうえない理由を、この小説の真似をちょっとしながら書き連ねてみます。

この奇妙このうえないと僕が感じる小説は、特定の人物に感情移入をして読むものではない。だから、一般的な小説で得られるものがこの奇妙このうえない小説では得られないのだが、
それ以前にまず感じるのは、物語というよりはある村の歴史書を読んでいるのに近い感覚が喚起されるということだ。
また、語り手の思考が前面に出た文章でありながら、文章に前面に出ている語り手をクッキリとしたイメージで捉えたうえで読み進めることができない。
それに普通なら不必要に思われるほど、起きた出来事の名前と概要を何度も書き連ねながら、起きた出来事の名前と概要を何度も書き連ねられている出来事の全貌がなかなか描かれないのも変わっている。
そして最初に書いた、この奇妙このうえない小説が特定の人物に感情移入をして読む話ではないことで得られないものというのは、カタルシスのことだ。

「この小説には、他にも無いものがあるよね?」
「うん、こういう会話形式の文章はまったく出てこないね。会話そのものがないからね。」

この小説は架空の村の歴史を、それが語られた昔話や伝説という架空の物語を分析することを通して描き出す。
というなんとも変わった構造をしています。
自分の知っている小説とはあまりに違っているので、どう読んだらいいのやら分かりません。
分からないのに評価を下げるのはおかしいので、星5つにしました。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年3月5日に日本でレビュー済み
1頁あたり、全部埋めた。