文学理論や小説の技法を簡単でも良いから知っている人向けです。
この本は、そうした基本的なことを教えてくれる本ではなく、
文学理論や小説の技法について学んだ人が
それをどのように肉体に取り込んで、どのように文章を書くか、またはどのように読むかを書いた本です。
書き手と読み手
両方に役に立つように書かれています。
なかなか難しい本でしたが、
文学理論と、小説の技法の両方をふまえたうえで、
小説を読み解く方法を教えてくれる本で
納得できるのは、この本だけでした
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小説の方法 (同時代ライブラリー 140) ペーパーバック – 1993/3/15
大江 健三郎
(著)
人間の諸要素を全体として活性化させる,小説という言葉の仕掛け.著者は,書き手と読み手とが共有する精神と情動の深い経験を分析し,「未来の経験」にたちむかう文学の有効性を探る.「どう書くか・なにを書くか」を加筆.
- 本の長さ245ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1993/3/15
- ISBN-104002601404
- ISBN-13978-4002601403
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
人間の諸要素を全体として活性化させる、小説という言葉の仕掛け。具体的な作品に即し、「異化」と想像力、文体論、グロテスク・リアリズムのイメージ・システムなどを論じ、文学の全体像を同時代手法でとらえなおす。1978年刊の同書に加筆したもの。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1993/3/15)
- 発売日 : 1993/3/15
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 245ページ
- ISBN-10 : 4002601404
- ISBN-13 : 978-4002601403
- Amazon 売れ筋ランキング: - 242,354位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 347位文学理論
- カスタマーレビュー:
著者について
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1935年愛媛県生まれ。東京大学仏文科卒。大学在学中の58年、「飼育」で芥川賞受賞。以降、現在まで常に現代文学をリードし続け、『万延元年のフット ボール』(谷崎潤一郎賞)、『洪水はわが魂に及び』(野間文芸賞)、『「雨の木」を聴く女たち』(読売文学賞)、『新しい人よ眼ざめよ』(大佛次郎賞)な ど数多くの賞を受賞、94年にノーベル文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 「伝える言葉」プラス (ISBN-13: 978-4022616708 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年3月9日に日本でレビュー済み
1978年初版なので、著者43歳で執筆したようだが、その筆致からはより若い切迫感が感じられる。私は三度読んだが、その都度30歳前後で書いたような印象を持った。確か後年の尾崎真理子との対談で触れられていたように思う。当時、彼の創作における内的必然性に迫られ、それを何らかの形でまとめることで自身の芸術性確立とともに何らかの社会的必要性に資するものとしての文学作品という、自己と社会あるいは他者との関連を言語化することで、自身の作品の妥当性を確立したいと思っていたようだ。恐らく、どのような芸術(形式)にしても自己と社会との関係は予言的でないとしても密接であるだろう。
昨今、文学の退廃と言われているが、では21世紀の文学は何を目指すべきか?
近代の国民国家成立あるいは再編に際し、(演劇も含め)文学がその国語の成立と国民(という幻想=フィクション)成立に寄与した役割があるだろう。そうすると、21世紀においては国民国家の枠を超えて、現代の国際的コスモポリタニズムやユマニスムを作り上げることに寄与すべきではないだろうか(これは素朴な単線的歴史観かもしれないが、あるいはルネサンス憧憬との複合かもしれない)。
再び(東)ヨーロッパで戦争がおこっている(2022〜)。トマス・モアが『ユートピア』でその理想を描いたように、21世紀のユートピア、現実的・実践的ユートピアを描けないだろうか。
文学の隣接領域として政治、倫理、建築を想定してみたい。物語では概ね危機に直面し、それは倫理的問題として現れその選択に迫られる。政治的問題ではより社会的な影響が大きいと言える。一方で、芸術の一分野としての文学を考えると、古典的造形美術としての建築は何らかのヒントを与えるかもしれない(第一章では建築家への言及がある)。
参考までに本書で言及されている文献など
1
小林秀雄『本居宣長』新潮社
シクロフスキー『ロシア・フォルマリズム論集』現代思想社
エイヘンバウム『若きトルストイ』みすず書房
バーク『文学形式の哲学』国文社
ウェレック&ウォーレン『文学の理論』筑摩書房
2
ムジール『特性のない男』新潮社
(山口昌男)
マン『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』
グリンメルスハウゼン『阿呆物語』
マン『魔の山』
マン『自作について』新潮社
3
(「狭山事件」大野普)
太宰治『駈込み訴え』
デュクロ&トドロフ『言語理論小辞典』朝日出版社
(鈴木忠志)
(山之口貘)
『おもろそうし』
4
バルザック『浮かれ女盛衰記』東京創元社
バシュラール『空と夢』法政大学出版局
ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』集英社
グラス『ブリキの太鼓』
ル・クレジオ『調書』新潮社
島木健作『赤蛙』
志賀直哉『城の崎にて』
5
ゴーゴリ『死せる魂』
マン『ヴェニスに死す』新潮社
マン『ブデンブローク家の人々』『小男フリーデマン氏』『トビーアス・ミンダーニッケル』『ルイースヒュン』『魔の山』『選ばれし人』
マン『ヨゼフ小説』新潮社
6
トルストイ『戦争と平和』岩波書店
ラディン『トリックスター』晶文社、山口昌男 解説
大岡昇平『野火』
7
セルバンテス『ドン・キホーテ』岩波書店
トマシェフスキー、トドロフ編『文学の理論』理想社
スターン『トリストラム・シャンディ』岩波書店
グリンメルスハウゼン『阿呆物語』岩波書店
シクロフスキー『散文の理論』せりか書房
8
(リヴェラ 壁画『アラメダ公園の日曜の午後の夢』)
ベルデシオ&アップルバウム編『ポサダ民衆メキシコ版画』ドーヴァー出版
渡辺一夫『乱生・泰平の日記』筑摩書房
モンテーニュ『エセー』岩波書店
グリンメルスハウゼン『阿呆物語』
(皇太子←現在の上皇)
マチャド、パス『孤独の迷宮』
レイエス、ベケット訳『タフマラの薬草』
レヴィ=ストロース『野生の思考』みすず書房
9
ドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』中央公論社
ユング『神話学入門』晶文社
ウェント『自由の樹の飛び狐』ロングマン・ポウル社
マルケス『族長の秋』ハーバート・アンド・ロウ社
金芝河『良心宣言』『張日譚(チャンイルタム)』『糞氏物語』『世界』
『源氏物語』
バフティーン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』せりか書房
孫普泰『朝鮮の民話』岩崎美術社
10
スタロバンスキー『道化のような芸術家の肖像』新潮社
山口昌男『文化と両義性』岩波書店
ル・クレジオ『悪魔祓い』新潮社
ヤウス『挑発としての文学史』岩波書店
ロトマン『構造詩学講義』←ロトマン『文学理論と構造主義』勁草書房
昨今、文学の退廃と言われているが、では21世紀の文学は何を目指すべきか?
近代の国民国家成立あるいは再編に際し、(演劇も含め)文学がその国語の成立と国民(という幻想=フィクション)成立に寄与した役割があるだろう。そうすると、21世紀においては国民国家の枠を超えて、現代の国際的コスモポリタニズムやユマニスムを作り上げることに寄与すべきではないだろうか(これは素朴な単線的歴史観かもしれないが、あるいはルネサンス憧憬との複合かもしれない)。
再び(東)ヨーロッパで戦争がおこっている(2022〜)。トマス・モアが『ユートピア』でその理想を描いたように、21世紀のユートピア、現実的・実践的ユートピアを描けないだろうか。
文学の隣接領域として政治、倫理、建築を想定してみたい。物語では概ね危機に直面し、それは倫理的問題として現れその選択に迫られる。政治的問題ではより社会的な影響が大きいと言える。一方で、芸術の一分野としての文学を考えると、古典的造形美術としての建築は何らかのヒントを与えるかもしれない(第一章では建築家への言及がある)。
参考までに本書で言及されている文献など
1
小林秀雄『本居宣長』新潮社
シクロフスキー『ロシア・フォルマリズム論集』現代思想社
エイヘンバウム『若きトルストイ』みすず書房
バーク『文学形式の哲学』国文社
ウェレック&ウォーレン『文学の理論』筑摩書房
2
ムジール『特性のない男』新潮社
(山口昌男)
マン『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』
グリンメルスハウゼン『阿呆物語』
マン『魔の山』
マン『自作について』新潮社
3
(「狭山事件」大野普)
太宰治『駈込み訴え』
デュクロ&トドロフ『言語理論小辞典』朝日出版社
(鈴木忠志)
(山之口貘)
『おもろそうし』
4
バルザック『浮かれ女盛衰記』東京創元社
バシュラール『空と夢』法政大学出版局
ゴンブローヴィッチ『フェルディドゥルケ』集英社
グラス『ブリキの太鼓』
ル・クレジオ『調書』新潮社
島木健作『赤蛙』
志賀直哉『城の崎にて』
5
ゴーゴリ『死せる魂』
マン『ヴェニスに死す』新潮社
マン『ブデンブローク家の人々』『小男フリーデマン氏』『トビーアス・ミンダーニッケル』『ルイースヒュン』『魔の山』『選ばれし人』
マン『ヨゼフ小説』新潮社
6
トルストイ『戦争と平和』岩波書店
ラディン『トリックスター』晶文社、山口昌男 解説
大岡昇平『野火』
7
セルバンテス『ドン・キホーテ』岩波書店
トマシェフスキー、トドロフ編『文学の理論』理想社
スターン『トリストラム・シャンディ』岩波書店
グリンメルスハウゼン『阿呆物語』岩波書店
シクロフスキー『散文の理論』せりか書房
8
(リヴェラ 壁画『アラメダ公園の日曜の午後の夢』)
ベルデシオ&アップルバウム編『ポサダ民衆メキシコ版画』ドーヴァー出版
渡辺一夫『乱生・泰平の日記』筑摩書房
モンテーニュ『エセー』岩波書店
グリンメルスハウゼン『阿呆物語』
(皇太子←現在の上皇)
マチャド、パス『孤独の迷宮』
レイエス、ベケット訳『タフマラの薬草』
レヴィ=ストロース『野生の思考』みすず書房
9
ドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』中央公論社
ユング『神話学入門』晶文社
ウェント『自由の樹の飛び狐』ロングマン・ポウル社
マルケス『族長の秋』ハーバート・アンド・ロウ社
金芝河『良心宣言』『張日譚(チャンイルタム)』『糞氏物語』『世界』
『源氏物語』
バフティーン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』せりか書房
孫普泰『朝鮮の民話』岩崎美術社
10
スタロバンスキー『道化のような芸術家の肖像』新潮社
山口昌男『文化と両義性』岩波書店
ル・クレジオ『悪魔祓い』新潮社
ヤウス『挑発としての文学史』岩波書店
ロトマン『構造詩学講義』←ロトマン『文学理論と構造主義』勁草書房