予習として、「差別の現在」(平凡社新書、以下前著)を読み、アマゾンプライムで『フリークス』(1932年)を観た。
本書の内容は、前著の「第六章 もう一人の「他者」として障害者を描く」の拡大発展版である。
冒頭でテレビドラマ「聖者の行進」が激しく批判されている点は前著と同じで、内容も大体同じだが、前著では、過剰の典型、とされていたのが、本書では「感動ポルノ」の典型という最新流行のレッテル貼りがなされている。
「感動ポルノ」というのは、ドキッとさせられる言葉で、あまりいい日本語とは思えないが、岩波書店の本の題名になっているのだから、憎悪語や差別語ではないのだろう。
本書の内容は省略する。あまり共感できなかったが、前著と合わせて、いろいろ教えていただいて勉強になった。
ちょっと面白かったのは、障害者劇映画の古典『フリークス』について、前著と本書で著述が違うことである。前著では「障害をもつ人びとの普段の仕草が、映画のなかに自然な形で含み込まれている」ことを好意的に評価して、「人を差別し、排除する「醜さ」」、「障害者を利用する,ひとでなし,の姿。これこそ「フリークス」なのだ。そんな強烈なメッセージがこの映画に息づいている」などなど、明らかにこの映画を肯定的に評価していた。
しかし、本書では「障害者のしぐさを見せようとするシーン」は「一見自然な映像だが・・その姿を驚き、嗤うという健常者の悦楽が裏打ちされており」と散々である。全体として、全く誉められていない。
映画を観た感想としては、前著の見解のほうが妥当と思う。
蛇足
本書で、『典子は、今』がDVD 化されていることを知った。貴重な情報ありがとう。
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「感動ポルノ」と向き合う 障害者像にひそむ差別と排除 (岩波ブックレット 1058) 単行本 – 2022/1/7
好井 裕明
(著)
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購入オプションとあわせ買い
健気に頑張る、あるいは尊敬すべき障害者ーーメディアや映像作品でおなじみのイメージは、健常者の感動の道具として消費するだけの「感動ポルノ」なのではないか? 最近のそんな批判に対し、名作とされる映画からドキュメンタリー、パラ五輪まで個々の表現に分け入り、何が語られていないか、その可能性まで含めて考える。
- 本の長さ88ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2022/1/7
- 寸法0.6 x 14.8 x 21 cm
- ISBN-104002710580
- ISBN-13978-4002710587
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商品の説明
著者について
好井裕明(よしいひろあき)
1956年生まれ.東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学.筑波大学大学院人文社会科学研究科教授を経て,2012年より日本大学文理学部社会学科教授.京都大学博士(文学).専攻は,差別の社会学,エスノメソドロジー,映画の社会学.
著書に『批判的エスノメソドロジーの語り――差別の日常を読み解く』(新曜社),『「あたりまえ」を疑う社会学――質的調査のセンス』(光文社新書),『違和感から始まる社会学――日常性のフィールドワークへの招待』(光文社新書),『差別原論――〈わたし〉のなかの権力とつきあう』(平凡社新書),『排除と差別の社会学』(有斐閣選書),『戦争社会学――理論・大衆社会・表象文化』(明石書店),『他者を感じる社会学――差別から考える』(ちくまプリマー新書)などがある.
1956年生まれ.東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学.筑波大学大学院人文社会科学研究科教授を経て,2012年より日本大学文理学部社会学科教授.京都大学博士(文学).専攻は,差別の社会学,エスノメソドロジー,映画の社会学.
著書に『批判的エスノメソドロジーの語り――差別の日常を読み解く』(新曜社),『「あたりまえ」を疑う社会学――質的調査のセンス』(光文社新書),『違和感から始まる社会学――日常性のフィールドワークへの招待』(光文社新書),『差別原論――〈わたし〉のなかの権力とつきあう』(平凡社新書),『排除と差別の社会学』(有斐閣選書),『戦争社会学――理論・大衆社会・表象文化』(明石書店),『他者を感じる社会学――差別から考える』(ちくまプリマー新書)などがある.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2022/1/7)
- 発売日 : 2022/1/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 88ページ
- ISBN-10 : 4002710580
- ISBN-13 : 978-4002710587
- 寸法 : 0.6 x 14.8 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 303,390位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 692位福祉の社会保障
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年1月7日に日本でレビュー済み
オーストラリアのコメディアン、ジャーナリストであり、障害者人権活動家であったステラ=ジェーン=ヤング氏は、感動ポルノを「障がい者をモノ扱いし、健常者が感動したりやる気を起こしたりするために利用すること」と定義する。そして「障がい者が特別視されるのではなく真の成果で評価される世界」を望んだ。
曰く「障がい者が乗り越えなければならないことは、自分たちの体や病気でなく、障害者を特別視し、モノとして扱う社会である」、「障がい者がいくら感動を振りまいても、階段はスロープに変わらない」。
障がいを克服し、頑張る姿や無垢で慈愛に満ち溢れた姿との妄想からからなる感動ポルノが生まれる背景には、障がい者が同情・憐みと、感動・称賛の対象があり、それを他者から介助を受ける福祉サービスの対象とのイメージがつなぐ。
これは障がいを無効化し無意味化する、障がいを個人化する、障がい者を過剰に評価し遠ざけ、結果として距離をとろうとする穴にはまる。
そこには障がいは否定せず、肯定し承認し受容する過程も、誰もが暮らせるように社会をあたりまえに正常化する変革も、障がい者が生きて在るリアルな存在として、等身大の隣人と付き合う考えもない。
障がい者を、非障害者の利益のために消費の対象にすることが目的だからだ。
差別する可能性を持つがゆえ、無意識にしてしまっている日常的差別の一つが感動ポルノである。
巻末の映画リストを見るたびに、考え直させる本である。
エレファントマン、レインマン、マラソン、チョコレートドーナッツ、ワンダー 君は太陽、グレイテストショーマン、オアシス、人生ここにあり!、ジョゼと虎と魚たち、こんな夜更けにバナナかよ 悲しき実話、映画 聾の形、しがらきから吹いてくる風、ちづる、もうろうを生きる、DOGLEGS
曰く「障がい者が乗り越えなければならないことは、自分たちの体や病気でなく、障害者を特別視し、モノとして扱う社会である」、「障がい者がいくら感動を振りまいても、階段はスロープに変わらない」。
障がいを克服し、頑張る姿や無垢で慈愛に満ち溢れた姿との妄想からからなる感動ポルノが生まれる背景には、障がい者が同情・憐みと、感動・称賛の対象があり、それを他者から介助を受ける福祉サービスの対象とのイメージがつなぐ。
これは障がいを無効化し無意味化する、障がいを個人化する、障がい者を過剰に評価し遠ざけ、結果として距離をとろうとする穴にはまる。
そこには障がいは否定せず、肯定し承認し受容する過程も、誰もが暮らせるように社会をあたりまえに正常化する変革も、障がい者が生きて在るリアルな存在として、等身大の隣人と付き合う考えもない。
障がい者を、非障害者の利益のために消費の対象にすることが目的だからだ。
差別する可能性を持つがゆえ、無意識にしてしまっている日常的差別の一つが感動ポルノである。
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